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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第5章 教室での『はじめて』
「やだあぁ…、やめてよぉ…」

 未知の刺激に愛里が泣く。強すぎる未知の快感は愛里の小さな性の器ではまだ「気持ちがいいもの」に変換されない。
 ただ股間を中心に体中を駆け巡る振動と、そこから生まれる切ないような痺れるような感覚が愛里を大いに乱れさせる。

「自分で動かすんだよ」
「いやだぁ、出来ない…」
「やって。イくまでやめちゃだめだよ」

 バイブを巧みに操っていた手が離れた。自分で動かせと言われても、手が震えて上手く持てない。ただ手を添えるので精一杯だ。

 本当は今すぐ抜いてしまいたい。しかし、涙で溢れる目を閉じても全身に幸彦の視線を感じる。股間が熱いのは燃えるように激しい刺激を咥えさせられているだけではない。それよりも熱い視線がそこに集中照射されているからだ。

 その目が見ている限り、バイブを抜くことは出来ない。抜いたら何をされるか分からない。
 
 強すぎる刺激から自分を守るのに全ての意志の力を総動員した。少しでも気を緩めれば大声を上げて泣き叫んでしまいそうだ。その声をどこかで誰かに聞かれないとも限らない。

 ぽたぽたと滴が足元に落ちる。下を向いたバイブの持ち手から、締め切らなかった蛇口から水が零れるように、愛里の滴が零れ落ちていく。

 足元の水滴に新たな水滴が落ち、少しずつ大きくなっていく。

 それだけを見ても、愛里が激しい快感に苛まされているのが分かる。
 それでも愛里の理性はまだ、快感を受け取ることを拒んでいる。それだけ教室での行為は抵抗が大きい。

 だが快感は確実に愛里を蝕んでいく。もはや頭の中まで震わされているような感覚に陥り、周囲の状況が分からなくなってきた。

 幸彦は何も言わない。それでも視線は感じる。きっと舐め回すように自分を見ているのに違いない。

「くぁ…、う、ああ…、あうっ!」

 教室に響くのは、愛里の苦し気な喘ぎ声とバイブの振動。その振動が掻き乱す粘液の音。

 そして…

 もう力を抜いて楽になってしまおうか。その方がいいのではないか。
 そう思った時、その音が大きく愛里の耳に響いた。

 校庭にいる、片思いの相手の声。

「もう…やだっ!」

 愛里がバイブを抜いた。
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