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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第6章 開花し始めた性の器
「今日は本当にどうもありがとうございました」
「いえ、こちらもお付き合い頂けてありがたかったです」

 プールと遊園地で一日遊び、更衣室で着替えてまた駐車場で全員が揃った後、めぐみの母親が丁寧に頭を下げてくれた。それに応えつつ、幸彦はそっと横目で愛里を眺める。

 前ボタンの白いシャツワンピース。黒い大きなボタンが体の中心に沿って並んでいる。それに黒いキャスケットをかぶった愛里は、シンプルなコーディネートながらも抜群に可愛らしい。むしろ、服がシンプルな分愛里の可愛らしさが引き立っている。

 綾香が選んで揃えてくれた服で、愛里のお気に入りのコーデのひとつ。
 大人っぽくも子供っぽくも見える組み合わせだが、それが大人へと育っていく体にとてもよく似合っている。

 愛里は水着やタオルが入ったバッグを胸元に抱え、足を居心地悪そうに踏みかえている。

「愛里ちゃん、楽しかったよ。ありがとうね」
「うん、私も楽しかったよ」

 友達に健気に笑顔を返しつつも、愛里が感じている戸惑いの理由を幸彦は知っている。

「それじゃあ、またね」

 手を振って車に乗り込む二人を見送って、愛里を促して自分達も車に乗り込む。体の弱い綾香でも移動に負担がかからないようにと結婚後に買い直したワゴンタイプの車だ。広々とした車内はそれなりに快適だ。

 助手席に愛里が乗り込むとシートベルトの確認をして車を発進させる。
 まだ愛里はバッグを抱いたままだ。

「どうしたの?」
「…何でもないよ」

 何事もなかったように言う愛里だが、その声に戸惑いの色が隠されていることを幸彦は聞き逃さない。
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