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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第7章 体いっぱいの『気持ちいい』
「しばらく帰ってこれないの?」
「まあ、そうなるね。これを機に向こうの若手も鍛えてこようと思ってるしね」
「そうなの…」
「でも心配しないで。毎日電話するし、お金も不自由ないようにちゃんと送るから」
「ええ。大丈夫よ。こっちのことは心配しないで」
「ありがとう」

 空になったコップの縁を指でなぞりながら、愛里は夫婦の言葉を聞いていた。
 そして全く別のことを考えていた。

 幸彦は準備が出来次第すぐに大阪に向かうという。東京での仕事は大阪からでも指示が出来るから、準備と言っても簡単な仕事の引継ぎと向こうでの滞在先の確保程度だった。

 数日もかからないという。

「その間、ちょっとばたばたしちゃうけどごめんね」

 ううん、と綾香が微笑む。

 仕事のこと、夫婦のこと。それはまだ子供の愛里には口を出せない。両親に任せておけば大丈夫なのだということも分かる。

 しかし。

 この体の疼きを、大阪に行くまでに解消してくれるのだろうか?

 愛里の心に引っかかっているのはそのことだけだった。

 プールの帰りの車の中。確かに愛里は深い快感の中にいた。二度も絶頂させられ、セックスが気持ちがいいと思えてはじめて素直に快感を受け止められた。

 しかし愛里はもっと気持ちがいいことがまだあるということを知っている。

 あの時は挿入はなかった。それをされればさらに強く大きな快感に浸れたはずだと、愛里は思い出すたびに体が疼く。

 それからすぐの今日。綾香がずっと家にいることもあって幸彦とのセックスはまだなかった。

 もしかしたら、このまま行ってしまうのではないか…

 少女らしくもない心配が愛里の小さな胸を満たしていた。
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