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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第7章 体いっぱいの『気持ちいい』
「くぁ…あ…んっ!」

 二人の間に隙間がなくなった。ぴったりと重なった。

「あぁん…っ!」

 愛里が悦びの声を漏らす。自ら腰を振りはじめた。

 こんなに密着しているのに幸彦の体温が直接伝わってこない。
 愛里は着衣でのセックスはこれがはじめてだった。ワンピースもショーツも脱がされていない。

 いつもは、たとえそれが外だろうと愛里は全裸にされた。幸彦は着たままだというのに愛里だけは全て脱がされ、外の空気に体を晒した。

 しかし今日はお互い服を着たままだ。

 母親がいない隙にリビングのソファでこそこそと交わう。
 何だかとてもいけないことをしているようで、それなのにとても気持ちがいい。

 綾香の顔が頭に浮かぶ。

 こうやって母親に隠れてセックスをすることはいいことなのだろうか?
 今までのようにいない日にするのではなく、入浴の間にしてしまうなんて…

 いけないことだ。しかし私達はこれでいい。愛里はそう思う。

 もしも愛里が幸彦の相手をしなければ、その欲望は全て綾香に向かうだろう。
 病弱な綾香ではきっと幸彦の性欲の全てを受け止めきれない。その激しさは愛里が誰よりもよく知っている。

 発散できない性欲を溜め込んだ幸彦はどうなるだろうか?
 きっと今のような優しさは確実に目減りするだろう。もしかしたらストレスで愛里達母子に辛く当たるかもしれない。

 愛里はそれでもいい。そうなったら自分の部屋にこもればいいし、大人になったら家を出ていくことも出来る。

 でも、そうなったら綾香はどうなる?

 幸彦に辛くされる綾香を見たくはない。愛里はずっと二人でささやかに、それでも愛情たっぷりに楽しく生活して来た母親が大好きなのだ。

 だから、こうやってお父さんとセックスをするのはお母さんを守るため。
 お母さんが大好きだから、お父さんとセックスをする。

 愛里は頭の中で自分の行為をそう結論付けた。
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