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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第2章 ゴールデンウィーク。旅行一日目
「う…」

 愛里が呻く。伸ばされた舌に肉棒がぴったりと押し当てられた。幸彦は根元に手を添え、角度を変えて舌の上を何度も往復させる。しょっぱいような嫌な味がする。

 放心状態のせいでいったんは止まった涙がまた、可憐な瞳に盛り上がった。瞼の内側から滲んで頬を伝う。

 まだ…キスもまだだったのに…

 小学六年生ともなれば、気になる男子もいる。愛里はクラスの男子に片思いをしていた。年相応に恋愛に憧れ、それを照れくさくも思っている。

 元気で活発な愛里は男女問わず友達が多い。その男子とも友達付き合いをしていたが、その先に踏み込む勇気がない。
 だから片思いは片思いのまま、きっと小学校を卒業するまで胸に秘めたままになる。そう思う。

 それでも、幼いながらに彼が愛おしく切なくなる夜もある。そんな夜は思わず想像してしまう。

 それは少女らしい夢見がちな妄想。

 デートを重ねて、いい雰囲気のところでキスをして…
 もう少し大人になったらきっとセックスもする。

 はじめてのキスはきっと甘くて優しい。愛里をぎゅっと抱きしめてくれる。

 そんなことを考えていた。

 なのに。

 愛里のファーストキスは、あの日のバスルームで奪われた。
 
 恋愛もまだなのに、こんなことをさせられるなんて…
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