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姦譎の華
第23章 23
 二人の股間からは、依然として薄汚い牡杭が突き出ていた。消沈して頭を垂らしているが、ついさっきまでは満緊に勃起させ、胸乳と脚に擦り付けていた。取引の条件であった秘事を洩らしておきながら、何食わぬ顔で、淫戯を愉しんでいたのだ。

 八つ裂きにしてやっても足らない。

「なんのために……、何のために、あ、あなたたちみたいなのと……、ふざけないでっ!!」
「おさえろっ!」

 飛びかかってくる多英から逃げ出そうとした二人だったが、愛紗実の恫喝を受け、逆に踏み出して覆いかぶさってきた。男二人にのしかかられ、再びその場に崩される。

「離して……ゆ、許さないわ……、あなたたち……」

 多英は左右から肩と腕を固められても、放たれれば即咬みつかんばかりの形相で二人を睨みつけていた。

「痛かったぞ、おい……」
「ゆるさない……離してっ……はなせっ!」
「無視すんなっ!」
「んっ、ぐ……」

 後ろから甲を摩すり近づいてきた愛紗実が、蹲っている腰にブーツを踏み降ろす。膝に肘をつき体重をかけられると、尖ったヒールがめり込んだ。

「なに被害者ぶってんの? さっきまで指突っ込まれて、私のこと気づかないくらいヨガってたくせに。脅迫された人間がさ、イッちゃうぅ、とか言う? ふざけてんのはどっちだよ」
「いっ……た、……な、なんで、藤枝さんに……」
「だーかーらー、痛かったのは私。許さないのも私。勝手なこと言ってんじゃねえっ!!」

 踵が離れるや、真下から蹴り上げられた。プレースキックが脇腹を抉り、唖然となった二人が戒めを緩めると、多英の体が裏返った。喉がゴボゴボと鳴り、咳き込んだ泡唾がカーペットへと散る。

「おいっ、やめろ……」
「や、やりすぎですよ、藤枝さん……藤枝さんっ!」

 腹を抑えて悶える多英の真上にヒールを掲げた愛紗実は、ピタリと脚を止めた。

「……ならいつまでこの女に服着させてんの? とっととマッパにしてよ」
「は、はいっ。ほら島尾さんっ」
「あ、ああ……」
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