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魔法使いの誤算
第1章 /1
あまりにも自信のない問い掛けの声に心配になり、振り返ろうとしたがいきなり激しく腰を打ち付けられその衝撃が強くてシンクの縁を掴み背中を反らした。
間髪なく与えられる衝撃と快感に何も考えられなくなった。
『愛してるに決まってる』と答えたいのに、快感が邪魔をして私の口を塞ぐ。
心の中で何回も答えた。
愛してる、愛してる、と。
けど口から出てくるのは発情した雌猫の様な喘ぎ声だった。
どうしてそんな質問をしたの?
どうしてそんなに自信なさそうに聞いたの?
何をそんなに不安がっているの?
何が京平を不安にさせているのか聞きたいのに、喘ぐ事しか出来ない。
近づく絶頂に目の前がチカチカする。
「愛してる……愛してるよ夕日」
私に分からせるように何度も何度も『愛してる』と耳元で囁き、しがみつく京平。
『私も愛してる』と言い返す代わりに雌猫の様に喘ぐ私。
「夕日は俺が大好きなんだ。夕日は俺の事が大好きなんだよ?」
その言い方はまるで魔法をかけるような言い方に聞こえた。
脳みそに染み込ませるようにそう言われた私は頭に鉛が乗せられたような気持ち悪い酔いを引き起こし、瞼が重くなった。
立ち眩みのような感覚に襲われ、重くなった瞼がゆっくりと下がっていく。
そして目の前が真っ暗になった。
暗闇の中で聞こえたのはーーー
「俺を愛して」
泣いている京平の声だった。
目を覚ますとベッドの上にいた。
体が重くて起き上がるのも億劫に思った。
下腹部がズクンと痛む。
その痛みに顔をしかめながら起き上がると、タイミングよく寝室のドアが開いた。
そして心配そうな顔をした京平が現れ側に寄ってきた。