この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
魔法使いの誤算
第2章 /2
京平にそう言われた私は『わかった』と返事をした。
私の返事を聞いた京平はMARIAのブースがある場所とは逆方向に歩いて行き、トイレへと向かった。
京平の姿が死角に入り見えなくなったのを確認し、私もMARIAのブースがある場所へと足を進めた。
「いらっしゃいませ。お探しのものがございましたらご遠慮なくお声掛け下さいませ」
MARIAのブースに着き、並べられた香水を一つ一つ眺めている私に店員さんが話し掛けてきた。
なので私は遠慮なく店員さんに目当ての香水を尋ねた。
「あの、今CMで放送されてる香水ってどれですかね?薄ピンク色のやつなんですけど……」
香水の名前を把握していなかった私はCMで放送されてると言うヒントを使って店員さんに分かる範囲で目当ての香水の特徴を話した。
こんなに少ないヒントと特徴だけで店員さんは『Secret Roseの事ですね』と思い当たった香水の名前を言い、私をその香水が置かれている場所まで案内してくれた。
「今当店がイチ押ししている商品なんです。CMもこちらの商品を使っています」
「そうなんですか。私MARIAの香水が一番好きなんですけど、この香水は初めて見ました。新作ですか?」
MARIAの香水は一通り知っている私だが、このSecret Roseと言う商品は初めて見たので新作なのかと思っていた。
けど、店員さんは明るい声で答えた。
「実はこの商品2年前に期間限定で発売されていた物でして、2年振りに再販されたんです」
そう言われた私は首を傾げた。
おかしいな。期間限定物なら尚更知らない訳がないのに。