この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
魔法使いの誤算
第3章 /3
忘れたくないと泣き叫んでいた君を無理矢理呪い自分の夕日にした。
君の記憶を書き換えて心を操ってまで"あいつ"から引き離した。
俺だけが君を愛する呪いをかけてもなお、"あいつ"を君は求めるんだね?
全てを書き換えて夕日を手に入れた。
夕日を幸せにする為と言う大義名分を作った。
悪魔は所詮悪魔だ。
そんな大義名分意味がない。
建前だ。
「ごめんね夕日……ごめんね」
どれだけ愛しても、どれだけ呪っても、"あいつ"に俺は劣る。
自分で自分の首を絞めているのに、夕日を手放せないのはーーー己が一番可愛いからだ。
昔から何も変わらない。
愛されたいから、欲しいから。
そんな理由で呪いを使う。
私利私欲の為に呪いを利用しているのはあの人じゃなくーーー俺だ。
『愛してるよ』
俺も愛してました。
『愛してるよ』
俺も愛してるよ。
『ママは京平を愛してる』
もっと愛して。
『私は京平を愛してるよ』
心から愛して。
愛して、愛して、愛してよ。
「愛してよ……"あいつ"よりも俺を愛して……」
俺は、愛され方がわからない。
だから愛し方もわからなくなった。
呪ってもなお愛が、わからい。