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S級有害図書
第9章 「霞萌の場合」
 渋谷にあるストリップ小屋は、週末の夜にはかなりの客が入る。結果、普段から雑務は週末のための準備が主である。電話がけたたましく鳴り、小屋主の俺はめんどくさそうに受話器をとる。
「はい」
「おう、土佐か? これからそっちに行く。ちょっと品定めしてくれねえか」
「これからですか? 今夜は客が入りそうなんで忙しいんですがね」
「ならなおのこと、急いだ方が良さそうだな。目玉になりそうな上玉だぜ」
 強引に約束を取り付けられ、受話器を置く。若い頃に世話になったケツ持ちの組から頼まれては断りようがない。
 それから数分後には電話の主が娘とその父親を連れて、事務所にやってくる。
 娘はまだ年端もいかない若さで制服を着ている。おそらく中学生だろう。なんて娘を連れてくるんだ。違法も違法だぞ。だが電話主の思惑は理解できた。まだ幼さの残る顔立ちは綺麗に整い、人形を見ているようだ。曇った俺の顔色を見て、父親らしい男が弁明する。
「こいつはこう見えて、もう十八でして。立派に働けます。むしろ、お客からは喜ばれるんじゃないですかね。へへっ」
嘘をつけ。他の奴は騙せても俺の目は騙せない。だが組の推薦では断ることは難しい。
「名前は?」
「ほらっ、ちゃんと答えねえか」
ずっと俯いていた娘は父親に促されて、少し顔を上げて小さな声で答える。
「・・・萌と申します」
電話主が得意そうに語り出す。
「どうだ、上玉だろう。こいつを今夜から出すんだ。盛り上がるぜ。評判が上がってガッポリ売り上げれば、組への上がりも増えるってもんだ」
木崎め、勝手なことを言う。だが組の幹部にこう言われては、どうやら本当に断る事はできそうもない。一応、チェックはしておくか。
「脱げ」
「・・・えっ」
「客に女の肌を見せて金をとる。それがストリップ小屋だ。商品を見せてもらわにゃ値もつけられん。男の前で裸を晒すこともできないなら、客の前に出る資格すらないぞ」
「そ、そいつは困る。こいつには稼いでもらわないと」
俺の言葉に慌てた父親が、娘を脱がせ始める。
下衆な父親だ。自分の娘を男の前で裸にする父親がこの世にいるとはな。
「・・・お父さん、待って・・・」
「いいから脱ぐんだ」
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