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地味子が官能小説を書いたら
第3章 片思い
(どうしよう?何が何だかわからない)

「わたし、何でも好きだから、早川君が適当に選んで」

「そう、じゃあ、クワトロにしようか」

「うん、わたし、クワトロ好きだよ。美味しいよね〜」

「そうだね、4種類の味が楽しめるし」

(はて?)何の事だか、私にはよく分からなかったが、とりあえずクワトロ味のピザを注文する事は分かった。


文剛は、タブレットに注文に必要な情報を入力すると、「30分くらいで着くって」と言った。

高校の時に注文した時は、90分くらいかかったと思うが、流石に東京のピザ屋は早い、と舌をまく。


「ピザが届くまでに、今後の事を話そうか?」

「うん、そうだね。どう進めていく?」


「まずは、綾瀬さんの環境なんだけど、いつも図書館のパソコンで書いているの?」

「うん、スマホで下書きして大方は書いているんだけど、どうしても誤字脱字ができてしまうから、最終的にパソコンで清書してチェックしてるの」

「ライティングの仕事も同じやり方で済ませてるんだけど、自宅にパソコンがないから効率悪くて、なかなか捗らない」


「そうか、僕はノートに手書きして、それをパソコンで清書しているから、概ね同じやり方だね」

「どうかな、平日はライティングの仕事に集中して、土曜日か日曜日に、ここで小説に集中するというのは。僕のパソコンを使えばよいよ」

「ここで?でも、お邪魔じゃないかしら、それに、早川君がパソコン使えなくて困らない?」

「お互いにアドバイスできて、その場で修正すれば効率良いし、僕はタブレットを使うから大丈夫。このタブレット、専用のキーボードついているから」

確かに魅力的な提案である。平日、ライティングの仕事に集中できれば収入も増えるし、週末に集中して小説を書ければ、捗ることは確かだろう。


でも、そこまで文剛に甘えて良いものだろうか?


それに、毎週男の子の部屋へ遊び(遊ぶわけではなく小説を書くことが目的ではあるが……)に行くなんて、なんだか付き合っているみたいだ。


「付き合っているみたい……」

迂闊にも、心の中が口に出てしまい、私はハッとする。


(ああーー、盛大にやらかしてしまった、もう、頭上に隕石を落としてほしーーー)

(わたしの、ばか、バカ、馬鹿ーーーー)


今日、何回目だろう?自分を罵倒するのは。




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