この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
地味子が官能小説を書いたら
第3章 片思い
ピピピピ……
目覚まし音が鳴り響く。カーテンの隙間から陽の光が差し込む。
私は、スマホの画面をタップし、アラームを止めた。画面に大きく”06:00”と表示される。
昨夜、何度も身もだえして良く眠れなかった。何度思い返しても恥ずかしい。
でも、土曜日は来てしまった。それに、すっかり楽しみにしている自分がいる。
先週、宅配のピザが届いた時、私は代金の半分を払おうとしたのだが、既に注文時にクレジットカードで精算していたらしい。
文剛は『こういう時は男が払うものだよ』といって、受け取ってくれなかった。
だから、今週は私がお弁当を作って持っていくことにした。
それで、早起きしているというわけだ。
材料を冷蔵庫から取り出し、下ごしらえをする。その間にフライパンを温め具材を放り込むと、香ばしい香りが部屋に広がった。
先週もクッキーを焼いたので早起きしたのだが、今日はまた違った感情が芽生えている。
誰かのために料理をすることが、こんなにも嬉しいなんて、今まで気づかなかった。
ふん~ふん~ふん~
(はっ!わたし、浮かれすぎている、鼻歌なんか歌って!)
ブンブン、と頭を振る。今日は、先週のような”やらかし”はあってはならない。
気を引き締めないと。
お弁当を詰めて、それからシャワーを浴びて、身だしなみを整える。
今日は、私のスタイルを意識した装いにした。しまむらで買ったタイトなニットセーター、色はパープルで初夏らしく。アンダーもタイトな白のジーンズ、私は胸の大きさに比べてお尻が小さい、スカートよりジーンズの方が似合っていると自分では思っている。
鏡の前でチェックしてみる。
ショーツは、相変わらずネットで買った10枚2800円のものだが、白いジーンズに透けないように白を基調のものにした。
鏡にお尻を向け、身体を捻って何度も確認する。
今度は斜めを向いて、胸の方を確認する。皺を伸ばし身体にピタリとなるように、あちこちを引っ張り、最後にブラの線が浮かんでないか確認する。
「お尻よーし、胸よーし」独り言を言いながら、可笑しくなってクスっと笑ってしまう。
(あ、そろそろ出ないと)
私が住む八王子から吉祥寺まで小一時間かかる。JRで行けば少しは早いのだが、定期を使って行けば電車代も少なくて済むのだ。