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地味子が官能小説を書いたら
第4章 恋に落ちたら
「ふ~~」

映画を観終わったあと、私は思わず大きく息をついた。

いくつも気になるポイントがあり、整理していたら例によって思考が追い付かなくなったのだ。


「花音ちゃん、どうだった?」

「僕の都合で観せちゃったけど、つまらなかったんじゃない?」

「ううん、そんなことない、私にも凄く参考になった」

私の答えに、文剛は安堵した表情を見せた。



「わたし、一番疑問に思ったシーンがあったんだけど……」


「もしかして、奥さんがビンタするところ?」


「うん、あそこ」


「僕も、あれ?って思った」

「そうよね、だってエッチしてないんだったら、離婚するほど怒らなくても良いんじゃない?」

「そう、よく『どこからが不倫だと思いますか?』ってアンケートを見かけるけど、『セックスしたら』という回答が多いものね」


「逆に、エッチ以外だったら何でも許されると思われると、わたしは文剛君にそんなことされたらイヤだな」


(……)


またしても、変なことを言ってしまった。直ぐにフォローしなきゃ!

「あ、いや、わたしじゃなくて、もし文剛君に彼女がいて、彼女だったら文剛君が他の人とキスしたり抱き合ってたら、イヤだって思うよって……言いたかったの」


「あはは、やっぱり花音ちゃんって、少し天然が入ってるよ発想が面白い」と文剛はお腹を抱えて笑う。

(ちょっと、笑いすぎ!)

「ええ~ひどいよ、わたし天然じゃないし」


「だって、ほら、ピザの時www」とまたしても笑いだす文剛。

「あ、あれは……」




ピザを注文した時のこと。




届いたピザの箱からは良い匂いが漏れていた。

私は、不覚にもお腹をキュルル~と鳴らしてしまった。

(あーー、男の子の前でお腹を鳴らしちゃったーー、これは、オナラに次ぐ失態だ!)


「あ、あはは、クワトロの良い匂いに、お腹がなっちゃった、あはは」と笑ってごまかしたのだが……

ピザのご尊顔を拝したとき、私は決定的なボケをやらかしてしまったのだ。


「わ~、クワトロって、なんか統一性がないんだね、乗っかってる具がバラバラなんだ~」

「?」

不思議そうな顔をする文剛。


「だって、4種類のピザが1/4ずつ入っているから、バラバラだよ?」


「え?」

(なんと!クワトロとはピザの味の名前ではなかったのか!?)




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