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地味子が官能小説を書いたら
第4章 恋に落ちたら
「忘れ物ないかな?」
二人でキョロキョロと身の回りを確認し、不備がないという事で部屋を出た。
文剛のマンションを出て、井の頭公園へ向かうと思っていたのだが、文剛は駅の方へ歩いていく。
「あれ、文剛君、公園の方へ行かないの?」
「あ、うん。公園だと人が多くて食べる場所がないから、ちょっと心当たりの場所があるんだ」
そう言って歩き出すのだが、またしても歩く速度がはやい。
それに、朝よりも人が多く歩きにくい。
私は、文剛の腕に手をかけた。できるだけ軽く……触れるように。
「あ、ごめん、また早く歩いてたね」そう言って歩幅を私に合わせてくれる文剛。
「あ、ありがとう、人が多くて……このままでも良い?」と彼がゆっくり歩いてくれているのに、私は、文剛の腕に手をかけたままだ。
「うん、人が多いし、歩きにくいからもっと寄って良いよ」私はドキドキしているというのに、文剛はいたって平気な感じだ。
やっぱり、好きでもない女の子と腕を組んでも何とも思わないのだな、と切なくなった。
「お、やっぱり空いてた」
文剛に連れられてきたのは、デパートの裏手の通りだった、そこに屋根があってテーブル席がいくつかあるが、利用している人はいなかった。
「ここ、使っても良いの?」
「うん、大丈夫だと思う、以前、ここでお弁当を食べている家族を見かけたことがあるんだ」
「そうなんだ、たぶんテイクアウト用だと思われているのかな?ここは穴場だね」
直接日光も当たらない、絶好の場所だ。
私たちは、一番明るい席へ座る。そこはビルの陰になっておらず明るいのだ。
そこで私が作ってきたお弁当を広げる。
ぽかぽか陽気に、五月のさわやかな空気に包まれ、気になっている男の子と一緒にご飯が食べられる、こんな小さな幸せが、ごく当たり前に私の身に降りかかってくるなんて、ほんのニ週間前まで想像もしていなかった。
「あ、ちょっと髪をまとめるね、このままじゃ食べるときに邪魔になって」
そう言うと、文剛はポケットから髪留めのゴムを取り出し、伸びきった髪を後ろで縛った。
(え?!)
いつもはボサボサの髪に隠れていた文剛の素顔がハッキリと現れ、私は、またしてもズギューンと胸を撃ち抜かれた。
(文剛君って、隠れイケメンだったんだ!!)
二人でキョロキョロと身の回りを確認し、不備がないという事で部屋を出た。
文剛のマンションを出て、井の頭公園へ向かうと思っていたのだが、文剛は駅の方へ歩いていく。
「あれ、文剛君、公園の方へ行かないの?」
「あ、うん。公園だと人が多くて食べる場所がないから、ちょっと心当たりの場所があるんだ」
そう言って歩き出すのだが、またしても歩く速度がはやい。
それに、朝よりも人が多く歩きにくい。
私は、文剛の腕に手をかけた。できるだけ軽く……触れるように。
「あ、ごめん、また早く歩いてたね」そう言って歩幅を私に合わせてくれる文剛。
「あ、ありがとう、人が多くて……このままでも良い?」と彼がゆっくり歩いてくれているのに、私は、文剛の腕に手をかけたままだ。
「うん、人が多いし、歩きにくいからもっと寄って良いよ」私はドキドキしているというのに、文剛はいたって平気な感じだ。
やっぱり、好きでもない女の子と腕を組んでも何とも思わないのだな、と切なくなった。
「お、やっぱり空いてた」
文剛に連れられてきたのは、デパートの裏手の通りだった、そこに屋根があってテーブル席がいくつかあるが、利用している人はいなかった。
「ここ、使っても良いの?」
「うん、大丈夫だと思う、以前、ここでお弁当を食べている家族を見かけたことがあるんだ」
「そうなんだ、たぶんテイクアウト用だと思われているのかな?ここは穴場だね」
直接日光も当たらない、絶好の場所だ。
私たちは、一番明るい席へ座る。そこはビルの陰になっておらず明るいのだ。
そこで私が作ってきたお弁当を広げる。
ぽかぽか陽気に、五月のさわやかな空気に包まれ、気になっている男の子と一緒にご飯が食べられる、こんな小さな幸せが、ごく当たり前に私の身に降りかかってくるなんて、ほんのニ週間前まで想像もしていなかった。
「あ、ちょっと髪をまとめるね、このままじゃ食べるときに邪魔になって」
そう言うと、文剛はポケットから髪留めのゴムを取り出し、伸びきった髪を後ろで縛った。
(え?!)
いつもはボサボサの髪に隠れていた文剛の素顔がハッキリと現れ、私は、またしてもズギューンと胸を撃ち抜かれた。
(文剛君って、隠れイケメンだったんだ!!)