この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
地味子が官能小説を書いたら
第4章 恋に落ちたら
「忘れ物ないかな?」

二人でキョロキョロと身の回りを確認し、不備がないという事で部屋を出た。

文剛のマンションを出て、井の頭公園へ向かうと思っていたのだが、文剛は駅の方へ歩いていく。

「あれ、文剛君、公園の方へ行かないの?」

「あ、うん。公園だと人が多くて食べる場所がないから、ちょっと心当たりの場所があるんだ」

そう言って歩き出すのだが、またしても歩く速度がはやい。

それに、朝よりも人が多く歩きにくい。

私は、文剛の腕に手をかけた。できるだけ軽く……触れるように。

「あ、ごめん、また早く歩いてたね」そう言って歩幅を私に合わせてくれる文剛。

「あ、ありがとう、人が多くて……このままでも良い?」と彼がゆっくり歩いてくれているのに、私は、文剛の腕に手をかけたままだ。

「うん、人が多いし、歩きにくいからもっと寄って良いよ」私はドキドキしているというのに、文剛はいたって平気な感じだ。

やっぱり、好きでもない女の子と腕を組んでも何とも思わないのだな、と切なくなった。


「お、やっぱり空いてた」

文剛に連れられてきたのは、デパートの裏手の通りだった、そこに屋根があってテーブル席がいくつかあるが、利用している人はいなかった。

「ここ、使っても良いの?」

「うん、大丈夫だと思う、以前、ここでお弁当を食べている家族を見かけたことがあるんだ」

「そうなんだ、たぶんテイクアウト用だと思われているのかな?ここは穴場だね」


直接日光も当たらない、絶好の場所だ。

私たちは、一番明るい席へ座る。そこはビルの陰になっておらず明るいのだ。

そこで私が作ってきたお弁当を広げる。

ぽかぽか陽気に、五月のさわやかな空気に包まれ、気になっている男の子と一緒にご飯が食べられる、こんな小さな幸せが、ごく当たり前に私の身に降りかかってくるなんて、ほんのニ週間前まで想像もしていなかった。

「あ、ちょっと髪をまとめるね、このままじゃ食べるときに邪魔になって」


そう言うと、文剛はポケットから髪留めのゴムを取り出し、伸びきった髪を後ろで縛った。



(え?!)


いつもはボサボサの髪に隠れていた文剛の素顔がハッキリと現れ、私は、またしてもズギューンと胸を撃ち抜かれた。

(文剛君って、隠れイケメンだったんだ!!)




/130ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ