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地味子が官能小説を書いたら
第1章 放課後の図書館
「え、と。これは……何を書いているの?」
「う、」声に詰まってしまう。
「もしかして、官能小説とか?」
隠そうとしても、頭の回転の速い文剛には直ぐにバレてしまう。私は官能小説を書いている理由を話すことにした。
「ちょっと高めの賞金のコンクールがあって、それに応募しようかな、と思ったんだけど……官能小説部門なのよ」
「そうなんだ、綾瀬さんって、何度か賞を取ったことあるよね。今回も何らかの賞が取れるんじゃない」
文剛はニコッと笑うとメガネの奥で目を弧にした。私は思わずドキッとする。文剛は、時折すごく優しい表情をするのだ。
「それが、そうも簡単にはいかなくて……」なんとも言い出しにくい。エッチシーンが書けないなんて。
「あ、それで途方に暮れてたんだ」
笑顔のまま文剛は続ける。
「何に困ってるの?僕で手伝えることなら、手伝うよ。ほら、僕も小説は書いてるから、何かアドバイスできるかも」
「あ、アドバイスだなんて、偉そうだったね、何かヒントくらいは出せるかも」
文剛は、編集の仕事に就きたいと以前から言っていた。そのため、自分でも小説を書いては雑誌の新人賞などに応募している。小説投稿サイトへ気軽に投稿している私よりは、ずっと上手に小説を書けることは承知している。
だから、アドバイスを貰えるのは助かるが、文剛も私と同様に性体験がないか、あっても乏しいのではないだろうか。であれば、あまり期待はできない。
「もしかして、官能的な描写が難しい……とか?」
(う、図星だ)「ど、どうしてわかったの?」
「だって、官能小説の本を前に悩んでるんだもの、想像はつくよ」
「わたし、経験がなくて、どう書いて良いか分からないの」
図星をつかれてつい、私は素直に応えてしまった。
(ばか、わたしの馬鹿。自分から処女ですってカミングアウトしてどうするのよ!)
言ってしまった後、しまった、と顔が赤くなる。
「あはは、僕も童貞だし、そこはアドバイスできないかな」恥じることなくカミングアウトする文剛。
「アダルトビデオとか、観てみたら?」
「それも考えたんだけど、自宅に観れる環境がなくて……」
「そっか……」
文剛は暫く何かを思案していたが、『そうだ!』と手をポンと鳴らし、驚くような提案をしてきた。
「だったら、僕の部屋で一緒に観ない?」
「う、」声に詰まってしまう。
「もしかして、官能小説とか?」
隠そうとしても、頭の回転の速い文剛には直ぐにバレてしまう。私は官能小説を書いている理由を話すことにした。
「ちょっと高めの賞金のコンクールがあって、それに応募しようかな、と思ったんだけど……官能小説部門なのよ」
「そうなんだ、綾瀬さんって、何度か賞を取ったことあるよね。今回も何らかの賞が取れるんじゃない」
文剛はニコッと笑うとメガネの奥で目を弧にした。私は思わずドキッとする。文剛は、時折すごく優しい表情をするのだ。
「それが、そうも簡単にはいかなくて……」なんとも言い出しにくい。エッチシーンが書けないなんて。
「あ、それで途方に暮れてたんだ」
笑顔のまま文剛は続ける。
「何に困ってるの?僕で手伝えることなら、手伝うよ。ほら、僕も小説は書いてるから、何かアドバイスできるかも」
「あ、アドバイスだなんて、偉そうだったね、何かヒントくらいは出せるかも」
文剛は、編集の仕事に就きたいと以前から言っていた。そのため、自分でも小説を書いては雑誌の新人賞などに応募している。小説投稿サイトへ気軽に投稿している私よりは、ずっと上手に小説を書けることは承知している。
だから、アドバイスを貰えるのは助かるが、文剛も私と同様に性体験がないか、あっても乏しいのではないだろうか。であれば、あまり期待はできない。
「もしかして、官能的な描写が難しい……とか?」
(う、図星だ)「ど、どうしてわかったの?」
「だって、官能小説の本を前に悩んでるんだもの、想像はつくよ」
「わたし、経験がなくて、どう書いて良いか分からないの」
図星をつかれてつい、私は素直に応えてしまった。
(ばか、わたしの馬鹿。自分から処女ですってカミングアウトしてどうするのよ!)
言ってしまった後、しまった、と顔が赤くなる。
「あはは、僕も童貞だし、そこはアドバイスできないかな」恥じることなくカミングアウトする文剛。
「アダルトビデオとか、観てみたら?」
「それも考えたんだけど、自宅に観れる環境がなくて……」
「そっか……」
文剛は暫く何かを思案していたが、『そうだ!』と手をポンと鳴らし、驚くような提案をしてきた。
「だったら、僕の部屋で一緒に観ない?」