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地味子が官能小説を書いたら
第10章 初夏の頃
土曜日……
私はいつものように6時に起き、お弁当を作った。
先立って、メッセージでお弁当を作ると弁岳に伝えたのだが、『早起きさせるのは悪いから無理しないで』という反応だった。
それでも、『もし作ってくれたら嬉しい』と書き添えられていたので、こうして料理をしている。
ご飯を作ってあげると言っただけで大はしゃぎした流留とは対照的に落ち着いた反応だな、と思う。
弁岳は、私と同い年なのに、ずっと年上に感じられた。
お弁当作りが終わると、私はシャワーを浴び、身支度に取り掛かった。
今日は少し歩くから、歩きやすい格好で来るようにと弁岳から言われている。
靴はスニーカーで良いとして、何を着ていこうか?
今日は気温も上がりそうなので薄手のものを着ていこうと、トップは黒のTシャツ、ボトムはハイウエストのショートパンツにした。こうすると、チビな私でも足が長く見える。
寒くなった時のために薄手のカーディガンを羽織り、鏡の前でチェックする。
メイクにもだいぶ慣れた。おかげで、”それなり”に可愛くなっていると、最近自覚できるようになっていた。
ボディミストをかけ、リップを塗ると準備完了だ。
(あ、そうだ、日差しが強くなるって言ってたから、日焼け止め!)
(それと、眼鏡……早くコンタクトにしたいな……)
ーー京王八王子駅に約束の10分前に着くと、既に弁岳は到着していた。メールで知らせた通り、赤いスポーツカーだった。
私は自動車の事はサッパリ分からないが、それでも、速そうな感じの車だった。
「おはよう、小机君。ごめんなさい、待った?」
「おはよう、花音ちゃん、約束の時間より前だよ、待ったとは言わない。道が空いてて、思ったより早く着いたんだ」
(あれ、今日は随分と雰囲気が違う)
眼鏡を外し、髪はワックスをかけ、クシャッとした感じにしている。
「この前と随分と雰囲気が違うね?」
「うん、休日はいつもこんな感じなんだ」
「それに、すごい、カッコイイ車だね」
「マツダのロードスターっていうんだ、でも、花音ちゃんは車の事は詳しくなさそうだね」
「えへへ、よくお分かりで」と愛想笑いする。
「さ、乗って」と言って、弁岳が助手席のドアを開ける。
「座席が低いから、気を付けてね」
注意されたが、座るときに、キャッと悲鳴をあげてしまった。
私はいつものように6時に起き、お弁当を作った。
先立って、メッセージでお弁当を作ると弁岳に伝えたのだが、『早起きさせるのは悪いから無理しないで』という反応だった。
それでも、『もし作ってくれたら嬉しい』と書き添えられていたので、こうして料理をしている。
ご飯を作ってあげると言っただけで大はしゃぎした流留とは対照的に落ち着いた反応だな、と思う。
弁岳は、私と同い年なのに、ずっと年上に感じられた。
お弁当作りが終わると、私はシャワーを浴び、身支度に取り掛かった。
今日は少し歩くから、歩きやすい格好で来るようにと弁岳から言われている。
靴はスニーカーで良いとして、何を着ていこうか?
今日は気温も上がりそうなので薄手のものを着ていこうと、トップは黒のTシャツ、ボトムはハイウエストのショートパンツにした。こうすると、チビな私でも足が長く見える。
寒くなった時のために薄手のカーディガンを羽織り、鏡の前でチェックする。
メイクにもだいぶ慣れた。おかげで、”それなり”に可愛くなっていると、最近自覚できるようになっていた。
ボディミストをかけ、リップを塗ると準備完了だ。
(あ、そうだ、日差しが強くなるって言ってたから、日焼け止め!)
(それと、眼鏡……早くコンタクトにしたいな……)
ーー京王八王子駅に約束の10分前に着くと、既に弁岳は到着していた。メールで知らせた通り、赤いスポーツカーだった。
私は自動車の事はサッパリ分からないが、それでも、速そうな感じの車だった。
「おはよう、小机君。ごめんなさい、待った?」
「おはよう、花音ちゃん、約束の時間より前だよ、待ったとは言わない。道が空いてて、思ったより早く着いたんだ」
(あれ、今日は随分と雰囲気が違う)
眼鏡を外し、髪はワックスをかけ、クシャッとした感じにしている。
「この前と随分と雰囲気が違うね?」
「うん、休日はいつもこんな感じなんだ」
「それに、すごい、カッコイイ車だね」
「マツダのロードスターっていうんだ、でも、花音ちゃんは車の事は詳しくなさそうだね」
「えへへ、よくお分かりで」と愛想笑いする。
「さ、乗って」と言って、弁岳が助手席のドアを開ける。
「座席が低いから、気を付けてね」
注意されたが、座るときに、キャッと悲鳴をあげてしまった。