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出会いを求めて
第3章 Ⅱ章 売店の少女
「こんばんは」

「こんばんは、どうしてここへ」

雄一は驚いたように聞いた。

「このキャンプ場は、私の実家なので。丁度、届け物があったので。きりたんぽは上手くお料理できたかと思って。」
「それでわざわざ来てくれたの?ありがとうございます。実は悩んでいました。」

思わず笑顔になる。

「宜しければ、お手伝いしましょうか?」
「ありがとうございます。助かりますよ」

彼女の名前は小海あづさ、25才。背も低く童顔のせいか、高校生にしか見えない。笑顔が絶えない、可愛い女の子といった感じだった。

「このキャンパーはフル装備ですね。凄い!」
「わかるんですか?」
「ええ、忙しい時はここでバイトしてますから」
「少し狭いですが、結構気に入ってます。」
「私の身長にはぴったりですね!」

二人は顔を見合わせて、笑った。その後も小さなキッチンなのに、手際よくきりたんぽ料理を作ってくれた。話題も豊富で、学生時代の事から、キャンプ場の珍事件などの話をつまみに、大笑いしながら酒を飲んだ。きりたんぽも美味しく食べることができた。あづさは東北の女性らしく、少し言葉のイントネーションが違うが、そこがまた可愛いらしさを際立たせていた。酒がめっぽう強く酔って崩れることは無いといっていた。あづさは、明日は遅番の仕事ということもあって、二人は夜遅くまで飲んだ。さすがに深夜に近い時間になったので、お開きにし、あづさを送っていく事にした。キャンプ場は、常夜燈らしきものは少なく、あまりに暗いので、トーチを持って出た。
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