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夏の終わりに
第15章 欲求
痛くて、息をするのも苦しかった。
罪悪感に心が軋み、今にも押し潰されてしまいそうだ。

四年前の罪と、再会してからも千里を凌辱し続けた罪が、重くのしかかる。

もし寝込みを襲っていると千里に知られたら……
その先を考えただけで、恐怖に体が竦む。

そのくせ、今この瞬間でさえも千里が傍にいてくれることが嬉しくて、暢気に心を躍らせている。


浩人は無理して微笑んで、千里の髪を一房摘まんだ。

「とりあえず、作ろう?」

髪にキスをするくらいなら、許されるだろうか。

衝動に負けて唇を押しあてる。顔を離す時、美しく濡れた瞳と視線が重なった。

心が震えた。

そっと伸びてきた細く小さな手に目尻を撫でられ、自分が泣いていたことに気づく。

「……ごめん、」

その言葉に、千里が痛みに堪えるように微かに眉を寄せる。
浩人もまた、眉を寄せた。
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