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夏の終わりに
第15章 欲求
それでもまだ離れがたくて、千里の髪を何度も撫でる。
千里はぼんやりと浩人を見つめ、半開きの口からは誘うような甘い吐息を漏らしていた。浩人は苦笑して、千里の唇をなぞり、もう一度キスをする。

もう終わるつもりだったのに、千里が拒絶しないから、千里が応えてくれるから、気持ちを止めることが出来ない。
痺れるような甘い感覚に支配されて、再び罪の意識が遠ざかっていこうとしていた。

「最後までして欲しいの?」

スカートを捲り上げ、ショーツの上から割れ目を撫でると、浩人はなまめかしく微笑んだ。

「これが気に入った?」

そう言って千里の手を掴み、自分の昂りを触らせる。

トロリと潤んでいた瞳が徐々に覚醒し、千里は顔を赤く染めて弾かれたように手を離した。

「あ、えっと、……準備、だよね。たこ焼き器、持ってくる」

腕の中から千里が逃げていく。
浩人は秘かに奥歯を噛み締めた。
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