この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の終わりに
第16章 危機
逃げて、もう戻ってこないのかもしれない。
ちぃを失ったのかもしれない。

恐怖に心も体も冷たく凍え、ナイフで胸を貫かれたような苦しさに頭がくらくらとし始めた。

千里はたこ焼き器を取りに行っただけだ。
すぐに戻ってくる。
本当に逃げたわけではない。

そう思う一方で、千里が戻って来てくれるはずがないと、傍に留まってくれるくれるはずがないと、自虐的な思いが止めどなく溢れていく。

ちぃ……

浩人はキャベツをまな板の上に置き、濡れた手のままキッチンを離れていった。千里が寝泊まりしている客室へ恐る恐る足を進め、部屋の隅に置かれている荷物にほっと胸を撫で下ろす。

いつからこんなに臆病になってしまったのだろう。
千里が傍にいない、姿が見えないことが、どうしてこんなにも不安になるのだろう。

未だふらつく頭を抱え、浩人は柱にもたれた。
/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ