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夏の終わりに
第17章 咆哮
バチンと音をたてるように、畑に一筋の明かりが灯された。
少し離れたところにある民家で、誰かが大型の投光器を引っ張り出してきたのだ。

「クソガキがっ!!」

どすの利いた野太い声がして、男達が次々とそちらを見る。一人がぎょっとしたように後ずさったのは、民家から走ってくる巨体が斧を振り上げているためだった。

浩人だけが投光器の明かりも接近してくる巨体も視野に入らず、ただひたすらに男達を殴り続けていた。

「やばくないか?」

「おい、行こうぜ」

「テッペー、急げ。殺されるぞ」

「マジかよ。うぜぇっ」

男達は千里につまずき、浩人を突き飛ばし、腹立たしげに逃げ散っていく。

「待て…っ!」

吐き捨てるようにそう言って、浩人は後を追いかけた。
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