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夏の終わりに
第17章 咆哮
「ストーップストップ。落ちつけ」
筋肉質の太い腕が肩に巻きつき、なだめるように押さえられた。
浩人は反動で後ろに倒れかかり、その時になって初めて自分達以外にも人がいることに気づいた。
「カズ兄…、邪魔しないでくれ」
殺気立った浩人に軽く溜め息をついて、カズは浩人の頭をはたく。
「だから落ちつけって。ちぃ坊を抱きしめるほうが先だろ?それとも俺がやってもいいのか?」
カズの視線が畑へと向けられる。
投光器に照らされた中で、千里は恐怖に顔をひきつらせガチガチと歯を鳴らしていた。自身をきつく抱きしめる腕の間から白い乳房がこぼれ、剥き出しの腹部や至るところに土がこびりついている。
「ちぃ…っ!!」
浩人は青ざめ、千里の元へ駆け寄った。しかし、伸ばしたその手が強張る。
自分もあの男達と変わらない。
傷ついた千里を抱きしめる資格などあるのだろうか。
筋肉質の太い腕が肩に巻きつき、なだめるように押さえられた。
浩人は反動で後ろに倒れかかり、その時になって初めて自分達以外にも人がいることに気づいた。
「カズ兄…、邪魔しないでくれ」
殺気立った浩人に軽く溜め息をついて、カズは浩人の頭をはたく。
「だから落ちつけって。ちぃ坊を抱きしめるほうが先だろ?それとも俺がやってもいいのか?」
カズの視線が畑へと向けられる。
投光器に照らされた中で、千里は恐怖に顔をひきつらせガチガチと歯を鳴らしていた。自身をきつく抱きしめる腕の間から白い乳房がこぼれ、剥き出しの腹部や至るところに土がこびりついている。
「ちぃ…っ!!」
浩人は青ざめ、千里の元へ駆け寄った。しかし、伸ばしたその手が強張る。
自分もあの男達と変わらない。
傷ついた千里を抱きしめる資格などあるのだろうか。