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夏の終わりに
第18章 安息 ①
脱いだTシャツを千里に被せると、一人で立とうとするのを制して細い体を担ぎあげた。

「歩ける…から、」
「俺がこうしたいの」

太股を持ち上げるように回した腕を、切り裂かれたショーツが頼りなく撫でている。張りのあるしっとりとした臀部が、隔てるものなく腕の上に乗っているのも感じ取れていた。
頬には、柔らかな胸が当たっている。

千里は体を預けながらも、手の置き場に困りながら背中に触れてきた。
その手が、酷く冷たい。

安堵の影に隠れなりを潜めていた怒りが、じんじんと音を立てて湧きあがり、心臓が唸る。


浩人は足を速めて家の中に駆け込むと、リビングから顔を覗かせたカズには目もくれずに浴室へと駆け込んだ。

当惑し僅かな抵抗を見せる千里から被せたばかりのTシャツを剥ぎ取り、捲れ上がったままのシャツとブラジャーも引き千切るように奪う。大きく裂けたスカートに一瞬手を止めてから、それも脱がせた。
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