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夏の終わりに
第4章 沈黙
衝動に身を委ねた結果を忘れ、あの日よりも更に強い飢えが心身を煽動する。


忘れるな。
純粋に慕ってくれたちぃに自分が何をしたのか骨の髄にまで焼きつけて、一生をかけて贖うべきだ。

ちぃを傷つけるな。


前方に集中しながら、浩人は何度も心の中で自分を諌めた。


あの日、
花火に見惚れる千里の横顔があまりにも美しくて、浩人は甘い密に誘われたように唇を重ねていた。千里は驚いていたが嫌がる素振りはなく、潤んだ瞳で見上げてきた。
堪らずもう一度重ね、唇で挟むように何度も千里の唇と合わせた。舌で優しく触れると、千里は応えるように浩人の袖を掴んだ。
抑えが効かなくなって歯の間を割って入っていた。千里が戸惑い体を強張らせても、止まらなかった。


浩人はハンドルを強く握りしめた。

罪悪感と飢えがせめぎ合っていた。
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