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夏の終わりに
第4章 沈黙
「もしかして……朝食?」

浩人はグラスをひとつ千里へと滑らせながら、用意されている食事を見やった。

「うん、まぁ……」

口籠る浩人に、千里は唇を噛みしめる。
もうすぐ十二時になるのに、浩人は一食も摂っていなかったのだ。
千里を迎えに行くことさえなければ、もっと早くにお腹を満たせているはずだった。そう思うと、合わせる顔がなくて後悔と悲しみに襲われる。

「ごめん……」

消えかかるような声に、浩人の反応はない。
千里はくしゃりと横髪を握った。


「……もう、昼ご飯食べる?」

「あ、うん……」

俯いたまま千里は答えた。
エアコンの運転音がやけに大きく聞こえる。

「自分で、作る…から」

浩人はボソリと何かを呟いて、麦茶を飲み干した。


それきり、会話らしい会話もないまま時間だけが過ぎていった。
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