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夏の終わりに
第6章 守護
花火に照らし出された千里は、今と同じくらい怯えていた。

十六歳の、まだ誰とも付き合ったことのない千里に、突然深いキスをするのは間違っていた。千里のペースに合わせて、ゆっくりとそれまでの関係を変えていくべきだった。
しかし、あの時の浩人にはそれが出来なかった。

千里の舌を奥深くから絡めとって悲鳴ごと強く吸い上げ、自分の昂りを押しつけて体を揺らし、華奢な肩から浴衣を剥がし、着痩せした豊満な胸を両手で鷲掴みにした。暴れて嫌がり始めた千里の両手を掴むと、頭の上に張りつけて、ただ己の渇きを満たすためだけに柔らかい体を貪った。

千里は泣きながら必死になって首を左右に振っていた。


それでも、止まらなかった。


昨夜も、あまりにも眠れなくて、千里を眺めて気持ちを落ち着けようとしただけだったのに、気がつけば頬に触れ、止まらなくなっていた。
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