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夏の終わりに
第6章 守護
「俺がいても何も変わらなかったかもしれないけど、何があっても守るべきだったのに、ちぃを傷つけて、逃げて、ちぃが苦しんでいる時に傍にいてやれなかった……」

浩人の強い想いに胸を打たれながら、千里はゆっくりと首を左右に揺らした。


傷つけて逃げたのは、千里。

浩人が好きだと自覚したのがいつかなんて覚えていない。それくらい幼い頃から浩人が好きだった。
浩人に彼女が出来ると泣いて、浩人が村を離れると知らされただけで泣いて、次に会える日を指折り数えて過ごしていた。
だから、キスをされた時は、やっと想いが通じたのだと嬉しくて……嬉しくて……、
それなのに、浩人の荒々しい想いが突然怖くなって拒絶してしまった。

「私が弱かったから……。それに、守ってくれるのでしょう?」

微笑むと、浩人は一瞬驚いてから微笑み返してくれた。
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