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夏の終わりに
第8章 白紙 ①
「花火観に行くの、止めにしないか?」
言った次の瞬間、早くも浩人は後悔していた。
千里はショックを受けて、酷く傷ついているようだった。それくらい花火大会を楽しみにしているのだ。
それを中止にするなどとんでもない話だが、かといって決行するのも躊躇われる。
「ほら、……昨日の連中に出くわすかもしれないし」
去り際のテッペーが、意味ありげに千里を見ていたのが気になっていた。
あの時、二人は花火大会のポスターの前にいて、観に行こうと話し合っていた。それを聞かれていたのかもしれない。
だとしたら、あまりにも危険過ぎる。
「会場に行かなければ、会わないよ……きっと。神社なら、大丈夫……なんじゃない…かな」
か細い声を搾りだすように、けれど明るく努める千里に、浩人は胸が締めつけられた。
言った次の瞬間、早くも浩人は後悔していた。
千里はショックを受けて、酷く傷ついているようだった。それくらい花火大会を楽しみにしているのだ。
それを中止にするなどとんでもない話だが、かといって決行するのも躊躇われる。
「ほら、……昨日の連中に出くわすかもしれないし」
去り際のテッペーが、意味ありげに千里を見ていたのが気になっていた。
あの時、二人は花火大会のポスターの前にいて、観に行こうと話し合っていた。それを聞かれていたのかもしれない。
だとしたら、あまりにも危険過ぎる。
「会場に行かなければ、会わないよ……きっと。神社なら、大丈夫……なんじゃない…かな」
か細い声を搾りだすように、けれど明るく努める千里に、浩人は胸が締めつけられた。