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夏の終わりに
第8章 白紙 ①
治まりかけていた飢餓感が甦る。

……じんじゃ?

興奮に煽られて低下していく思考の中で、浩人はなんとかその言葉の意味を捉えようとした。


四年前、浩人が千里を襲ったあの場所に、よりによって花火大会の日にもう一度行きたいと言うのか。

―――二人だけで?


両手を頭の上で張りつけにされて、千里は剥き出しになった胸を隠すことも出来ないでいた。
夜の暗い森の中、周囲に人の姿はないとは言っても、いつ誰が来るかも分からない。巨大な花火が打ち上がると歓声が聞こえてくる。それくらい近くに人がいる中で、浩人は千里の口を塞いで舌を絡ませ、しっとりと手に吸いつく柔らかな乳房を夢中で揉みしだいていた。

花火に照らし出される白い肌に酔いしれ、手の中で形を変えていく胸をうっとりと眺め、風に煽られる葉擦れの音やすぐ傍から届いてくる歓声にさえ興奮していた。
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