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夏の終わりに
第8章 白紙 ①
千里の瞳が大きく見開かれた。打ち上げられた花火が、彼女の不安げな表情を照らす。

―――い、や……

穴に先端を押しあてると、千里は震える手を浩人の胸に押しあてた。

花火が止まり、静寂が訪れる。

―――……ちぃ

愛しさに頭を抱き寄せ、逃げる舌を追いかけて絡ませた。

欲望に汗を滴らせながら腰を押し進めると、腕の中で千里が体を強張らせる。膣口は狭く、先端に感じる抵抗にぐっと力をこめた時、いくつもの花火が暗闇を彩った。

―――い、いやあっっ!!

胸を強く突き離された。
その痛みに驚いて浩人は一歩後ろに下がり、衝撃を受けた胸を押さえた。


我に返って青ざめ、同時に拒絶されたことにひどく傷ついていた。


浩人は息苦しさのあまり重く溜め息を吐いた。



あの場所で、もう一度、一緒に、花火を見るのか……
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