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夏の終わりに
第9章 白紙 ②
「それは……、」

浩人が真っ直ぐに見つめ返してきた時、カウンター側から調子外れの音楽が鳴り始めた。二人同時に振り向き、立ち上がろうとした千里を浩人が制して箸を置く。

電話は浩人の友人からだった。浩人の帰省を知った“ユウジ”が、懐かしがってかけてきたらしい。

楽しそうに話す浩人の横顔に、千里の胸はズキリと痛んだ。


久し振りに見る浩人の笑顔。明るく、嬉しそうな声。
けれどそれは、千里へ向けたものではない。

千里には、無理に作った微笑みや辛そうに歪めた笑顔しか見せてくれない。
再会した時こそほんの少し笑ってくれたけれど、今ではそれも夢だったんじゃないかと思い始めていた。


浩人の笑顔が恋しい。

他の人と笑う姿など切なくなるだけ。
真っ直ぐに自分を見つめてくる、あの優しい笑顔に会いたい。

あの頃に戻りたかった。
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