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 縛師-Ⅰ-告られてから『ごっこ』の終わりまで
第4章  お姫様ごっこ
「自分でするのと、人にされるのって全然違うのね。もうビックリするくらい感じてしまった」
 校門を出たとこで追いついてきたスズが言う。

「自分で触るのって脳がさ、ここを触れって手に命令しておいて、ここを触られるぞって同じ脳が皮膚に予鈴を出すんだ。だから、まず反射神経が働かないから感じない」

「それでリョウに触られる度に「キャッ」と思ったのね。で、リョウはどうなの。私の胸とか足を触って感じたの? 興奮とかした? 別にSって感じじゃなかったように思うけど」

「興奮はしたさ。俺が触ってお前が反応した。その反応に興奮した。だけど少しずつ冷めていく。やはり思い切り俺をお前にぶつけたくなるんだ。それを抑えると興奮が冷めて冷静になる」

「私を好きになりきれてないからかな?」

「好きだから、お前に触れるだけだとそうなって、やがて観察するようになる」

「そうか。あれでリョウも感じてくれてたら、このままでいいって思ってたけど、いまのままだとそうなるのね。じゃあバリヤの4に私が耐えられるかってことよね。それを聞かせて」

「それを話すとお前とは終わるかも知らねえけどな」

「そんなことはわからないよ。とても言い憎いことだとは思うけど、そのために私の恥ずかしい姿を見せたんだもの。それに、基本的に私はリョウが好きじゃない。大好きなんだから」

 スズが、「駅まで歩こうよ」そう言って、俺達はいつもなら乘る県立第一高校前バス停を通り過ぎて、電鉄駅まで歩くことにした。
 
「じゃあ覚悟して聞いてくれ。その前に礼を言っておくよ。ファーストキス、ありがとうな」

「嬉しい。リョウがそう言ってくれるから私は初めてを覚えていられるわ。好きが積み重なっていくから嫌いにはならない」そう言って「ふふっ」と笑った。
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