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縛師-Ⅰ-告られてから『ごっこ』の終わりまで
第1章 告られた
俺は『俺様』だ。
高校生になったとき、中坊時代の危険人物の顔は隠したが、女子に対して斜め上から見下す態度はそのままで変わってない。
良く言えば、それが女子に媚びない自分の信念を持っているようにみられて、男子達からは一目置かれているのだが、女子から見た目は傲慢で嫌な奴になっているはずだ。
加えて181センチのタッパがあり、切れ長の目はいつも何かを睨みつけているし、冷ややかで、人を傷つけることを恐れない俺の態度は、女子達が言う彼氏にする男子の条件『優しい』からは程遠いと思っている。
俺のそんな態度には理由がある。
俺には秘密がある。
俺と付き合う相手はその秘密を受け入れることができるか、或いはその素質をもっているかに限定される。
そして俺は殆どの女子が俺の秘密を受け入れられないことを知っている。
だから俺は女子に対して、覚めた態度を取る。少なくとも俺の方から交際を求める(そんな素質を持っている女子は見たことがないので)ことはない。
言うならば、毒を持った動植物がその毒々しい色で警報を発しているようなものだ。
ところが、それをクールだ。ガッツいてないと勘違いして、付き合って欲しいと言ってくる女子がいる。
「わりーな」
そう言って断ると「女子よりも男子という訳じゃないよね」という質問がくる。
「ちげーよ」と否定しておくが、そうすると後が結構面倒くさい。
「じゃあ、私の何が気に入らないの?」とか「誰か好きな子がいるの?」とか、質問攻めになるからだ。