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貴女に溺れて彷徨う
第5章 見返りという甘い汁


「莉世。想像以上だよ、ひなたちゃん味のチョコ」

「いくらひなた味でもカロリー平気?」


 淫らなことをするには早い。けれど、甘いものを食べるのには遅い時間だ。


「これから運動するんだし。カロリーになっても、ひなたちゃんのなら後悔なくない?」

「それもそっか。睦、貸して」

「やぁんっ……莉世さんまでぇ──……フッ、んっ!……」


 時刻は午後九時近いのに、あたしはチョコレートを指に掬って口に含んだ。そのままひなたの唇をキスで塞ぐ。容易に綻ぶ肉厚の花びらを開き、甘ったるい油分の塊を押し入れていく。


「んんぅ」

「美味しい?ひなた」

「美味し、ですぅ」

「ピンクで甘いものは、やっぱりお姫様に食べさせてからじゃないとね。でもあたしは、ひなたの唇の方が甘くて美味しいかな」

「莉世さん……」


 ひなたの甘えたな言葉つきに、媚びた音色が濃さを増す。

 頬や喉や首筋にキスを移しながら、脱いで、と、鎖骨の薄肉に指を這わせてささめく。


「せっかくの可愛い勝負下着、汚れちゃう」

「恥ずかしい、です……」

「良い子にしたら、もっと甘いご褒美あげるよ……ひなた」


 耳朶を舌に転がして、ふっ、と息を吹きかける。


 あたし達の原動力の大半は、ノリだ。

 今夜はひなたが自分でしどけなくなっていくところが見たい。

 睦も共感してくれたらしく、もう何度も披露してきた裸体を露わにしていくひなたの姿を、舐め回す目つきで監視し出した。 
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