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渇いた心に水を注ぐ
第11章 働き方改革〜圭人
美味しい昼食をご馳走になりながら、
真由子ちゃんの料理上手は、お母様譲りだと言うことが判った。

また、本当に両親に愛されて育ったことも感じて、
うちとはえらい違いだなとも思った。

仕事やお金、名声とかばかりで、
一緒に家で食事をすることもなかった。

まあ、俺の親は、グランパとグランマみたいなもんだし、
叔父さん達の方が余程、親みたいに感じてた。


結婚式は、
秋頃にするのか、
桜の時期が良いのかなんてことをお母様が言っていて、
「でも…2回目ですし、
結婚式なんて…」と真由子ちゃんが言うので、

「俺はケジメとして、
周りに結婚したことを見せたいし、
真由子ちゃんの綺麗な花嫁姿、見たいな。
親族だけでも良いから、
式は挙げたいよ?
でも、真由子ちゃんの気持ちを尊重する」と言って、
「まあ、まだまだ先だから、
ゆっくり2人で決めなさい」とお父様に言われたりした。


「いつでもいらっしゃい」と言われながら、
家を後にした。


「心配されてるだろうから、
おじさまの処に報告に行きませんか?
お祖母様にも報告したいし?」と真由子ちゃんが言う。

グランマに先に電話してみると、
グランマもお話を聞きたいと言うので、
グランマをピックアップしてから一緒に叔父さんの処は行こうかと言って、
叔父さんにも連絡してみた。
今日は自宅に居るということだったので、
グランマを連れてそちらに伺いますと伝えて車に乗った。

いつも以上にお洒落をして待っててくれたグランマは、
真由子ちゃんをハグして両頬にキスをすると、
「指輪を見せて?
まあ、綺麗だけど小さいこと!
グランパはもっと大きいのをくれたのに!」と、
俺を見て笑う。


「大きさよりお気持ちが嬉しいので。
それに、私にはちょうど似合う形と大きさです」と言って微笑んでくれる。


「まあ、良いわ。
たった1人の孫娘が出来たから、
私のものを託せるし!」


「兄貴のトコの嫁さんもいるじゃん」


「あの子はね…。
別に良いのよ」と素っ気ない顔で流すと、

「さっ。
行きましょう!」と言って小さめのハンドバッグを手にした。





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