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渇いた心に水を注ぐ
第12章 ようやく、初めての夜〜真由子
ロマンチックな夜に…

圭人さんの方がそう思ってくれてるのを感じたので、
私は戸棚からキャンドルを出して、
ガラスのケースに入れたものをいくつかバスルームに置いてみた。


電気を消して、
一緒にバスタブに浸かっているだけでも、
焔の灯りが揺らめいて美しかった。


でも、お水はまだ怖いので、
慎重にゆっくり、
圭人さんに寄り掛かっていた。


バスタブでもキスをして、
シャワーで顔にお湯が掛からないようにしながらザッと身体を洗ってくれて、シャンプーもしてくれる。


バスタブでは、
私がパニックにならないようにと、
本当に優しく抱き締めてキスをしてくれるだけだった。

圭人さんの愛情と優しさを感じながら深いキスをしていると、
身体の奥がムズムズしてきてしまって、耳まで紅くなってしまう。


外に出て、バスタオルを巻いて髪をタオルで拭いていると、
圭人さんが出て来てしまう。

腰にバスタオルを巻いた格好で、
私の髪を丁寧に乾かしてくれた後、
自分の髪も乾かす。


「バスローブとか、あった方が良いですか?」と訊くと、
「んー。そうだね。
でさ、これから、
ここで一緒に暮らす?
それとも、何処か別の処に引っ越す?
そんなことも考えないとね?」と笑う。


「あの…先にベッドに行っててください。
私、パジャマに着替えて行きますから」


「そのままでも良いよ?
どうせパジャマ着ても、
脱がせちゃうよ?」と言って、
額にキスをする。


大振りのアロマキャンドルを渡して、
「これ、持って行ってくださいね?
恥ずかしいから、
暗くしてて?」と言って、
洗面所から追い出してしまって、
私は着替えて鏡に映る自分を見た。


ショーツは履かないことにした。
脱がされることを考えたら、
その方が恥ずかしい気がしたから。


そして、恥ずかしさもあるけど、
それ以上に、
本当に優しい圭人さんに愛されたい。


そう思って、
鏡の中の自分に笑いかけてみたけど、
ぎこちない笑顔しか出来なかった。
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