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渇いた心に水を注ぐ
第13章 家族になる〜圭人
グランパ達の家まで送る。

車の乗り降りを手伝って、
応接室まで一緒にゆっくり歩く。


脚を悪くしたグランパには、
やっぱり、この家は段差と物があり過ぎるのが気になってしまって、
心配にもなってしまった。


日曜日はお手伝いさんはお休みを取って貰っているので、
真由子ちゃんと俺でコーヒーを淹れて、
グランマの焼いたクッキーを出したりした。
真由子ちゃんは冷蔵庫を確認して、
簡単なサンドイッチも作ってお皿に載せて出してくれる。


「圭人の淹れるコーヒーだけは美味いな」とグランパが笑う。

「真由子ちゃんのサンドイッチも美味しいわ!
こんなに短い時間で作ってくれたの?」と言いながら、
本当に美味しそうにグランマはサンドイッチを摘む。


「真由子ちゃんの料理、毎日、本当に美味しいんだよ」と、
俺が言うと、

「やだ。
恥ずかしいですよ?」と真由子ちゃんが頬を赤らめた。


「結婚式は、いつにするんだ?」と訊かれて、
昨夜、2人で話をしたことを言ってみた。


本当に近しい家族だけで、
小さな結婚式を挙げたい。
出来たら、子供も早く欲しいから、
早く入籍もしたいと思ってる。


グランパはそれを聞いて、
「それなら、早々に真由子さんのご両親様ともお話しをしないとな」と言った。


「それと…。
多分、今日、叔父さんが父と話をしていて、
俺、叔父さんのトコに養子に入るから、
それが済んだら、
結納とかを、叔父さんの息子として進めたいんだ」と言った。


「俺、やっぱり、
父親と母親とは合わなくて…。
あっちもそう思ってるだろうし」と笑ったみたけど、
多分、辛そうな顔をしていたみたいで、
真由子ちゃんがそっと俺の手を握ってくれた。


「そうか。
それは…。
もっと早くそうしていれば良かったかもしれないな。
ちょっと複雑な家庭になるけど、
そのあたりは、真由子さんのご両親様は…?」


「あの…。
私も以前、結婚していて死別しておりまして…。
だから、私を大切にしてくださる圭人さんと一緒になることを、
とても喜んでおります。
おじさまとおばさまにもお会いして、
とても穏やかで心が優しい方だと感じましたので、
お二人が私達の両親になってくださるのは、
とても嬉しく思っています」と、
真由子ちゃんはゆっくり言った。

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