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渇いた心に水を注ぐ
第14章 小さな結婚式〜真由子
久し振りの実家で、
母と一緒に料理を作って、
食卓を囲んだ。


和室の衣桁には、
初めて見る振袖や帯が掛けられていた。


「まあ。
私、もう30歳ですよ?
お振袖なんて…」と言うと、

「良いじゃない。
結納のお席なんだから!」と、
母は嬉しそうに振袖をそっと撫でる。


「これって…?」


「成人式の時のは、
最初の結納でも着てたから…。
こちらを着てね?
これは私がパパとの結納で身につけたものなの」と言う。


「ママは何を着るの?
おばさまが…、圭人さんのお母様が、
格を揃えたいと仰ってました」


「色留にしようかしら?
色はどうしましょう?」


「だったら、お電話で打ち合わせします?
ビデオ通話なら、色も確認出来るし…」


そう言って、おばさまに電話をしてから、
ビデオ通話で打ち合わせすることにした。


女学校で1学年違いだったということで、
自己紹介し合うと、当時も面識があったことが判り、
もう、気持ちはすっかり女学生同士のようになっていて、
とても楽しそうに翌日の着物のことを相談していた。

よくよく話をしていると、
おじさまと父も、そしてお祖父様も、
同じ大学の同じ学部の同窓生だということが判った。


なんだか、すっかり母親同士、
打ち解けているのを見て、
ホッとしながら、振袖をゆっくり丁寧に畳んでいった。


翌日は目白のホテルに集まって、
ホテル内の美容室で着付けをしていただいて、
結納のお席へと向かった。


「堅苦しいのは抜きにして、
ご挨拶だけしましょうか。
目録などは用意して参りましたが…」と、おじさまが言うと、

「そうですね。
両家の紹介をしたら、
お食事をしながらゆっくりお話をしましょう。
聞けば、共通したところもたくさんあるようですし、
私としては、御子息が娘を本当に大切にしてくださることもよく判っておりますので」と父も言った。


目録を交換した処で、
お祖母様が「これを…」と、立派な箱を出した。


「こちらは私の家に代々伝わったものです。
本来なら長男が結婚する時にと思いましたが、
和装でのお式でしたので…。
真由子さんはクリスチャンと聞いてますので、
ドレスですよね?
その時に是非、身につけて欲しくて。
目録には載せていませんが、
こちらも真由子さんにどうぞ」と言った。
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