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渇いた心に水を注ぐ
第14章 小さな結婚式〜真由子
箱をそっと開けると、
ダイヤモンドにサファイアが施された立派なネックレスとイヤリングが煌めいていた。


「まあ!
こんなに立派なものを…?」と言うと、

「もう、しわくちゃで私、似合わないもの。
いつか、真由子さんに娘が出来たら、
また、これを渡してあげてね?」とウィンクをした。

「娘は…、圭人の母親は、
お恥ずかしい話だが、
私達が甘やかしてしまったからか、
物や人を大切にすることが出来ない人間に育ってしまって、
とてもこれを渡したいとは思えなくてね」と、
静かな声でお祖父様が言った。


少し重たくなった空気をそっと振り払うように、
「このネックレスに合うドレス、
選ばないとね」と圭人さんが戯けて言った。


食事をしながら、
今後のことを話し合ったりもした。


結婚式は、夏休み期間中にということで、暑い時期だから北海道にしようかとなり、
式場などは圭人さんと私とで探して、
ホテルや飛行機の手配もすることになった。

日付もその場で決めてしまった。



お祖父様とおじさま、父が大学も学部も同じだったことで、
本当に意気投合して勝手に話を始めるし、
グランマとおばさまと母は、
女学校時代の話で盛り上がってしまうので、
私と圭人さんは2人でポカンとしながらも、
微笑みあって、
テーブルの下で手を繋いでいた。



おじさまが、
白い封筒を取り出して圭人さんと私の前に置いた。


「婚姻届の用紙、用意しておいたよ?
みんなの前で記入して、
帰りに提出してくれば?
ほら、先に子供を授かったりして、
大きくなった時に順番が違うって言われたら、
可哀想だろう?」


圭人さんと顔を見合わせると、
頬が紅くなってしまう。


「今日は大安ですしね?
ちょうど良いわ!」と、母も言ってニッコリ笑う。


会食の後にはホテル内の写真館で家族写真や2人の写真を撮った。


そして、その帰りに3台のタクシーで役所に行って、
届けをしてきた。


休日窓口で届けを受理して貰って、
外にいた守衛さんにお願いして、
みんなで外で記念写真を撮って貰った。

本当に嬉しい1日で、
その日の写真も、それぞれの家に永く飾られることになった。


そして、帰りに銀座に立ち寄って、
今日の日付とイニシャルを入れた結婚指輪を注文した。

これは、結婚式の日に交換しようと話をしていた。






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