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渇いた心に水を注ぐ
第15章 元実家のお家騒動〜圭人
師走になって街は華やかで、
少し慌ただしい空気になっていた。
そんな土曜日の昼下がり、
家族全員でのんびりと午後のお茶をしていた時に、
本当に突然、
実家、正確には元実家の両親がやって来た。
「あら?
お揃いで珍しいわね?」と、
ゆったりと英語でグランマが言った。
グランマが英語で話す時は、
心を許して居ない時のような気がして、
思わず顔を見てしまう。
母親は気にせず、
ズカズカと空いているソファに座ると、
その隣にオヤジも座った。
室内はそれまでの温かい空気から一転して、
少し緊張感のある変な雰囲気になった。
「あの…結婚の報告以来で、
ご無沙汰しております」と、
真由子ちゃんが落ち着いた声で挨拶をすると、
オヤジと母親はそちらを見て、
作り笑いをした。
「まあ、真由子さん。
本当に久し振りね?
ちっとも遊びに来てくださらないから…」と言う母親の言葉を、
俺が遮った。
「何の用事?」
「まあ。
相変わらず乱暴な物言いね?
真由子さんがびっくりするんじゃないかしら?
ご立派なお家でお育ちになってるんだから…」
「あのさ。
家族で楽しい休日を過ごしてるんだから、
用件言ったらサッサと帰ってくんない?」
「圭人さん?
私、お茶淹れて来ますね?」と立つと、
お母さんも「手伝うわね?」と立ち上がってキッチンに行った。
「何なの?
仲の良さを私に見せびらかしたいわけ?」と、
イライラした表情で2人の後ろ姿を見る母親は、
相変わらず我儘で傲慢な感じがする。
ティーカップとお菓子を取り分ける為の小皿や新しく入れ替えたティーポットを持って、2人が戻ってくる。
グランパが静かな声で、
「それで今日はどういった御用件かな?
2人揃っての訪問は、
正直初めてじゃないかな?」と言った。
母親とオヤジが顔を合わせると、
オヤジの方が思い掛けないことを口にした。
「圭人を…返して貰えないかな?」
少し慌ただしい空気になっていた。
そんな土曜日の昼下がり、
家族全員でのんびりと午後のお茶をしていた時に、
本当に突然、
実家、正確には元実家の両親がやって来た。
「あら?
お揃いで珍しいわね?」と、
ゆったりと英語でグランマが言った。
グランマが英語で話す時は、
心を許して居ない時のような気がして、
思わず顔を見てしまう。
母親は気にせず、
ズカズカと空いているソファに座ると、
その隣にオヤジも座った。
室内はそれまでの温かい空気から一転して、
少し緊張感のある変な雰囲気になった。
「あの…結婚の報告以来で、
ご無沙汰しております」と、
真由子ちゃんが落ち着いた声で挨拶をすると、
オヤジと母親はそちらを見て、
作り笑いをした。
「まあ、真由子さん。
本当に久し振りね?
ちっとも遊びに来てくださらないから…」と言う母親の言葉を、
俺が遮った。
「何の用事?」
「まあ。
相変わらず乱暴な物言いね?
真由子さんがびっくりするんじゃないかしら?
ご立派なお家でお育ちになってるんだから…」
「あのさ。
家族で楽しい休日を過ごしてるんだから、
用件言ったらサッサと帰ってくんない?」
「圭人さん?
私、お茶淹れて来ますね?」と立つと、
お母さんも「手伝うわね?」と立ち上がってキッチンに行った。
「何なの?
仲の良さを私に見せびらかしたいわけ?」と、
イライラした表情で2人の後ろ姿を見る母親は、
相変わらず我儘で傲慢な感じがする。
ティーカップとお菓子を取り分ける為の小皿や新しく入れ替えたティーポットを持って、2人が戻ってくる。
グランパが静かな声で、
「それで今日はどういった御用件かな?
2人揃っての訪問は、
正直初めてじゃないかな?」と言った。
母親とオヤジが顔を合わせると、
オヤジの方が思い掛けないことを口にした。
「圭人を…返して貰えないかな?」