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渇いた心に水を注ぐ
第16章 狂気から静寂へ〜賢人
僕はその言葉を聴きながら、
泣いていた。
泣いてることに自分でも気づかなかったけど、
そっと真由子さんがハンカチで涙を拭ってくれてから、
にっこり微笑んで、こう言った。
「お兄様?
このお洋服、とても気に入っていたので、
似たようなもの、探してプレゼントしてくださいね?
圭人さんは、下着、プレゼントしてください。
まさか、お兄様に買って頂くわけにはいきませんので。
それとこの件は、お祖父様達やお義父様達、
それにこちらのお父様には内密に。
びっくりされちゃいますから。
傷の理由も、私がうっかりぶつけちゃったとかにしてくださいね?」
母が、取り敢えず着て帰れそうな大人しい服を見繕って、
着替える為に自室に連れて行った。
少し大きめの服を着た真由子さんは、
なんだか幼い少女のようで可愛らしかった。
圭人に、もう一度、
頭を下げると、
圭人は僕の胸を叩いてから、
「真由子ちゃんはね、
こういう天使みたいな人だから、
二度と泣かせるようなこと、
しないでくれる?」と、
涙ぐんで言った。
「約束するよ。
それと、
僕も真由子ちゃんみたいな天使に巡り合えるように、
圭人を見習って純情路線で行くよ」と言うと、
圭人は声を上げて笑った。
僕も照れ笑いしてから、
本当に久し振りにハグし合った。
僕はなんだか、
清々しい気持ちで、
別れた絵美のことすら、
好きなオトコと一緒になれて良かったなと心から思えてしまった。
そして、これまで、
モノか性欲の処理をする為の道具のように女性のことを考えてきた自分を心の底から恥じて、詫びるような気持ちになった。
例え、僕の天使に出逢えないとしても、
それはそれで、
これまでの報いかもしれないし、
真由子ちゃんのことを遠くで想う人生も悪くないかもしれないとすら考えていた。
真由子ちゃんはそれほど、
無垢で護るべき天使だと思った。
明日また、病院で会えることを、
ささやかな歓びに感じた。
泣いていた。
泣いてることに自分でも気づかなかったけど、
そっと真由子さんがハンカチで涙を拭ってくれてから、
にっこり微笑んで、こう言った。
「お兄様?
このお洋服、とても気に入っていたので、
似たようなもの、探してプレゼントしてくださいね?
圭人さんは、下着、プレゼントしてください。
まさか、お兄様に買って頂くわけにはいきませんので。
それとこの件は、お祖父様達やお義父様達、
それにこちらのお父様には内密に。
びっくりされちゃいますから。
傷の理由も、私がうっかりぶつけちゃったとかにしてくださいね?」
母が、取り敢えず着て帰れそうな大人しい服を見繕って、
着替える為に自室に連れて行った。
少し大きめの服を着た真由子さんは、
なんだか幼い少女のようで可愛らしかった。
圭人に、もう一度、
頭を下げると、
圭人は僕の胸を叩いてから、
「真由子ちゃんはね、
こういう天使みたいな人だから、
二度と泣かせるようなこと、
しないでくれる?」と、
涙ぐんで言った。
「約束するよ。
それと、
僕も真由子ちゃんみたいな天使に巡り合えるように、
圭人を見習って純情路線で行くよ」と言うと、
圭人は声を上げて笑った。
僕も照れ笑いしてから、
本当に久し振りにハグし合った。
僕はなんだか、
清々しい気持ちで、
別れた絵美のことすら、
好きなオトコと一緒になれて良かったなと心から思えてしまった。
そして、これまで、
モノか性欲の処理をする為の道具のように女性のことを考えてきた自分を心の底から恥じて、詫びるような気持ちになった。
例え、僕の天使に出逢えないとしても、
それはそれで、
これまでの報いかもしれないし、
真由子ちゃんのことを遠くで想う人生も悪くないかもしれないとすら考えていた。
真由子ちゃんはそれほど、
無垢で護るべき天使だと思った。
明日また、病院で会えることを、
ささやかな歓びに感じた。