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渇いた心に水を注ぐ
第3章 セカンドコンタクト〜圭人
その後は、特に梨香子と寝ることもなかったし、
たまたま叔父の事務所の仕事が忙しくなって、
母親のサロンにも顔を出さなくなった。


3月に兄貴と絵美さんの結婚式があった時に、
久し振りに梨香子と会った。

話があると言われて、
披露宴の後、ホテルの中のティールームで待ち合わせた。


そして、絵に描いたように、
妊娠を告げられた。


堕胎する…というのは、
俺の中では許されないことだったから、
「判った。
結婚しよう」と言った。


両親にその話をすると、
物凄く激怒された。


デキ婚というのもだらしない。
そして、梨香子の家のことや学歴のことも気に入らないと父親からは言われた。

兄貴は珍しく、
「まあ、仕方ないんじゃないの?」と言って、
最終的に、
「披露宴とかも、みっともないからしないで?」と母親に言われて、
取り敢えず入籍することになった。


入籍して、
マンションで一緒に住み始めた。
仕事も叔父の事務所は辞めて、
ヘアサロン開業の準備をした。

梨香子からは妊娠中で心配だからとか、
ちょっとお腹痛いからとか、
不正出血でとか色々言われて、
一緒に寝てもセックスすることはなかった。

とにかく心配で、
腫れ物を触るような態度で接していた。


でも、キスすら殆どしてくれない。
「キス、したい」と言っても、
断られたりしていた。


ある日、トイレットペーパーを交換しようとして棚を見た時、
生理用ナプキンが置いてあるのに気付いた。
何となく気になって時折チェックしていたら、
明らかに増減していた。

俺はなんか違和感を覚えた。


梨香子に「母子手帳、見せてよ?」と言うと、
「まだ貰ってない」と言われる。

そんな訳はないだろうということは、
鈍い俺でも判った。

定期的に明らかに生理痛だろうという日もあったりしたし、
一向にお腹も大きくならないから、
梨香子を問い詰めてみると、
最初、
「流産した」と言って涙を流した。

一瞬、真実に思えて動揺しながらも、
「いつ?
何で言わなかったんだよ?
どこの病院に掛かってたんだ?」と更に訊くと、

「妊娠なんて、嘘だったの。
結婚したかったから。
それに、1回位で妊娠する訳、ないじゃない?」と、
手の平を返すように、冷たい顔で言われた。


なんか、物凄く混乱して、
怒る気持ちにもなれなかった。







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