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渇いた心に水を注ぐ
第4章 サードコンタクト〜真由子
「パンツ履いてないから、
なんか落ち着かないな」と圭人さんが言うので、
途端にドキドキしてしまって震えてしまう。


「いやいや、襲ったりしないから。
単に、浴衣の下がスースーするっていうか…。
ああ、何言ってんだ?俺…」と顎髭の辺りを掻くので、
笑ってしまう。


「脚だけだったら、
怖くなかった?」と訊かれて、
私は圭人さんの目を見て頷いた。


「そっか。
それなら良かった。
泳げないヒトって、
プールでも水に顔つけるのも怖いって言うもんな。
足湯が大丈夫なら、
次はヘソまでとか試してたら、
そのうち、温泉にも入れるようになるかもよ?」とのんびり笑う。


私は瞳を閉じて口にしてみようかと少し考えてみる。
色々なことが蘇ってきてしまって、
涙が勝手に溢れてしまっていたようで、
圭人さんが指先でそっと涙を拭ってくれた。


「大丈夫?
本当に話さなくても…」という言葉を遮るように、
私は思い切って口に出してみる。


「お風呂場で…
頭を押さえられて顔を水につけられて…
私、息が出来なくて苦しくて…」

「えっ?」

「辞めてくださいって言おうとしても、
水の中で声も出せなくて…」

その時の記憶や感覚が蘇って来てしまって、
呼吸が苦しくなって震えてしまう。

圭人さんは慌てて私を抱き締めて、
背中を軽く叩いて、
「真由子ちゃん?
大丈夫だよ。
息をして?
ゆっくり大きく。
そうそう。
大丈夫だから…」と言ってくれる。


少しずつ、
ぼんやりした頭がハッキリとしてくる感覚になる。


涙をペロリと舐めて、
頬に自分の頬を当ててくれる。


「お髭が…
くすぐったいです」と言うと、

「良かった。
笑ってくれた」と優しく微笑んでくれる。


「本当に、震えるほど怖い思いしたなら、
話さなくて良いよ」と言って、
ただ、抱き締めていてくれる。


「4年前にあった、
エリート医師がSM嬢を殺したって言われた事件、
覚えてますか?」

「えっ?
ああ。
あれ、俺の兄貴と大学の同級生だって言ってたな。
でも、結局、無罪じゃなかった?」

「お兄様、同級生だったんですか…。
じゃあ、結婚式に来てくださったのかしら…?
あの医師って、
私の夫だったんです」


圭人さんは息を呑んだ。


その話を誰かにするのは、初めてだった。
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