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渇いた心に水を注ぐ
第5章 修羅場は突然に〜圭人
「真由子ちゃん…
これ以上、キスしてるとさ、
俺、多分我慢出来なくなるから、
そろそろ起きようか?」と言うと、
真由子ちゃんは恥ずかしそうに頷いた。


「朝風呂に入ってから、
朝食にしようか。
ベランダの風呂にする?
大浴場は、ついて行けないから、
怖いでしょ?
まだ、ベッドに居て?」

そう言って、俺は、
「エイヤ」って感じで起きて、
ベランダの風呂の残り湯を一度抜いておいて、
とりあえずコーヒーを淹れて、
1つを真由子ちゃんに運んでから
もう一度新しく湯船にお湯を張った。


コーヒーをゆっくり飲んでるうちに、
ようやくムスコがおさまったので、
昨日と同じように真由子ちゃんにはタオルを巻いて貰って一緒に湯船に浸かった。


朝の空気は気持ち良くて、
俺の前に背中を向けて座る真由子ちゃんと、
朝食の後の予定を相談したり、
月曜以降の予定を話したりした。


タオルを巻いてても、
昨夜と違って明るいからか、
「私…太ってるから恥ずかしいな」と真由子ちゃんが言う。


「太ってないよ。
ふっくらして柔らかくて、
抱き心地が良いなって思うよ」と言って、
そっと後ろから抱き締めると、
真由子ちゃんは耳まで紅くなってしまう。


「凄く幸せだな。
真由子ちゃんと会えて、本当に嬉しい。
あの植木鉢のおかげだな」
と笑った。


いかにも旅館の朝食という感じの朝ご飯を部屋で食べて、
すっかり乾いた昨日の服に着替えた。


チェックアウトしてから、更にドライブで静岡方面に向かって、
伊豆方面にドライブして、
干物を買ってから東京方面に戻った。

家に帰る前に、
銀座に行って、
「指輪、プレゼントさせて?」と言うと、
「えっ?
指輪ですか?」と目を丸くするので、
「付き合ってくださいと言ったのを、
目に見えるカタチで表したいから!」と言うと、
恥ずかしそうに頷いてくれた。


「何処のが良いのかな?
カルティエ、ティファニー…ブルガリって感じじゃないよね?」

「私…アクセサリーつけないので、
何処のって言うのも良く判りません」

「じゃあ、コテコテに、
カルティエの3連にしても良い?
普段っぽいから」

「でもお高いんじゃないですか?」

「良いじゃん。
ずっと一緒に居たいっていう意思表示だから」


そう言って、真由子ちゃんの手を引っ張って、
路面店に入って行った。
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