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渇いた心に水を注ぐ
第5章 修羅場は突然に〜圭人
コンシェルジュさんが出迎えるようなマンションというのは、
その通りだった。

部屋の中は物凄くシンプルで片付いていた。
もっと女の子っぽい部屋を想像していたから、
少し意外だった。


「先にご飯を炊いても良いですか?
ちょっとそちらに座っててください」と言って、
キッチンでお米を研いで、スイッチ入れたり、
何か料理を始めてしまう。

俺はジロジロ見てるのもと思って、
ソファに座って紙袋から指輪の箱を出して、
そっと眺めていた。


少しすると、真由子ちゃんが俺の隣にそっと座ってくれたので、
俺はソファから一度立ち上がって、
テーブルに置いた薔薇の花束を持って跪くと、
花束を渡して、
「真由子ちゃん、俺と付き合ってください」と言ってから、
指輪の箱を開けて差し出した。


真由子ちゃんは、
「お願いします」とそっと微笑むと、
自分の右手を出してくれたので、
右手の薬指に指輪を嵌めた。


「いつか、左手の薬指に嵌めれるように、
俺、頑張るよ」と笑った。


そしたら、今度は、俺を隣に座らせてから、
バッグの中から同じ箱を取り出して開けると、

「圭人さん、
私と付き合ってください。
お願いします」と言ったので、
俺はポカンとしてしまった。


さっき、俺が店で試しに嵌めていた太い3連リングだった。
多分、俺が買ったのより高いだろうに、
いつの間に?
あのフランス人スタッフか!と、
グルグルと考えてると、

「どちらの指に嵌めますか?」と訊かれた。


俺は迷わず、
左手を差し出した。


「えっ?」


「一目惚れだから。
左手に嵌めて?」と言うと、
真由子ちゃんは真剣な顔をしながら、
俺の左手の薬指に、そのリングを嵌めてくれた。



真由子ちゃんの右手に俺の左手をそっと重ねて、
手の温かくて柔らかい感触を味わうようにしてると、
心まで温かくなるような気がした。


どちらからともなく、
見つめ合ってキスをする。

キスをしているだけで、
ふわふわとした天国に居るみたいだった。



ピーピー…



急に電子音がして、ビックリして固まった後、
同時に声を上げて笑う。



「ご飯、炊けたみたい。
お魚、焼きますね?」と言って、
俺の頬にキスをしてくれる。


「もう一回、キスして?」と言うと、
反対の頬にキスをして恥ずかしそうに笑うとキッチンに行ってしまった。
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