パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第7章 誤解から妄想〜圭人

水曜日はいつもの番組の後、インターバル入ってから、
担当してる女優さんがインタビューがあるからってことで、
ヘアメイクを頼まれていた。

また、夜は映画の仕事に向けて、
顔合わせを兼ねた食事会が入っていた。


真由子ちゃんに会えないのがあまりにも寂し過ぎて、
食事会は早めに抜けようと思っていた。


女優さんのヘアメイクの仕事が終わって、
次の食事会の前に百貨店の化粧品売り場で新色のチェックでもしようと歩いている時だった。


真由子ちゃんが歩いているのが見えた。


思わず駆け寄ろうとして、
彼女が1人じゃないことに気づいた。

長身でスーツ姿のオトコと、
一緒に歩いていた。

しかも、バッグをオトコが持っていて、
なんか肩を抱かれているようにも見えて、
俺は固まってしまった。


見間違えだよな。
そんな筈はない。


でも、オトコが持ってるバッグは、
間違いなくいつも仕事の時に持ってるヤツだし、
いつもより白い顔をしてるけど、
絶対に真由子ちゃんだ。

そっちって…
ホテル街？


いやいや、そんな処に行くハズはない。


俺は首を振って、
追い掛けて行ってちゃんと訊こうと思ったけど、
見失ってしまった。


俺は化粧品売り場に行くのも忘れて、
フラフラと道路の端に行って、
座り込みそうになった。


携帯を取り出して、
掛けてみようとしたけど、
怖くて掛けることが出来なかった。


暫く携帯を眺めてから、
やっぱり電話をしてみようと思って掛けた。
電波が届かない処に居るか、電源が入ってないという機械の音声が流れる。


物凄く混乱して震えそうになる。
どれ位の時間、
そこに立ち尽くしていたか判らなかったけど、
気づいたら会食の時間が迫っていた。

俺はノロノロと会場に向かった。


食事会は正直、
何をしていたか判らない状態だった。

多分、酷い顔をしていたらしく、

「具合、悪いんじゃないの？」と言われて、
1次会だけで帰ることについて、
周りからも何も言われなかった。


俺の足は、
そのまま、真由子ちゃんのマンションに向かっていた。