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渇いた心に水を注ぐ
第8章 歪んだ愛情〜英一
真由子さんは、家族の話を殆どしたことがなかったけど、
ご両親に会って「なるほどな」と思った。
お父様は外務省高官、
お母様は専業主婦の間の一人娘ということで、
親族も役人や大学教授などが多く、
大臣経験者や現役の大臣もいるようだった。
だから、というわけなのか、
是が非でも医者と結婚したいとか、
大学教授夫人になりたいとか、
そういう野望もない。
お母様は身体が弱かったそうで、
真由子さんのことも弱い子だからと心配していて、
「とにかく、優しくて真由子さんを大切にしてくださる方と、
幸せな結婚をして欲しい」ということだけ言っていた。
お父様も同じで、
「私と同じ役人は、
野心的で計算づくで娘に近づこうとするから、
外には出さないように大切にしてきた。
大学病院の世界はあまり知らないが…、
娘を愛してくれて、守ってくれるなら」と言っていた。
そんな真由子さんだから、
僕が医者だからとガツガツ来ることもなかったし、
お父様の庇護の下でおっとり過ごしてきたのも理解出来た。
僕は、
「真由子さんを大切にして、
全力でお守りします。
真由子さんとの結婚をお許しください」と頭を下げた。
お父様は真由子さんに、
「真由子ちゃんの気持ちはどうなの?」と優しく訊くと、
少し困惑した顔を浮かべた後、
「英一さんはとても優しくて、
大切にしてくださってますので、
お父様とお母様のような家庭を築けると思います」と恥ずかしそうな顔で言って、
僕の顔を見上げた。
なにか、物足りない気持ちになったけど、
恥ずかしそうな笑顔が眩しくて、
その物足りなさが何だったのか考える間もなく、
「どうか、お認めください」と頭を下げた。
お母様が、
「とても良い方だと思いますわ。
毎回、きちんと真由子ちゃんを家まで送り届けてくださって…。
真面目で紳士的な方だと思いましたわ」と言ってくれて、
結婚を認めて貰えた。
僕の両親は、
真由子さんのことについては大賛成だった。
厚労省の高官も親族にいたし、
何より家系や親族の地位がずば抜けていると喜んでいた。
卒業後の5月に結婚披露宴をすることにした。
婚約後も、礼儀正しくデートをして、
キスやハグくらいの関係で、
物足りなくはあったけど、
その分、真由子さんを抱くのが楽しみだった。
ご両親に会って「なるほどな」と思った。
お父様は外務省高官、
お母様は専業主婦の間の一人娘ということで、
親族も役人や大学教授などが多く、
大臣経験者や現役の大臣もいるようだった。
だから、というわけなのか、
是が非でも医者と結婚したいとか、
大学教授夫人になりたいとか、
そういう野望もない。
お母様は身体が弱かったそうで、
真由子さんのことも弱い子だからと心配していて、
「とにかく、優しくて真由子さんを大切にしてくださる方と、
幸せな結婚をして欲しい」ということだけ言っていた。
お父様も同じで、
「私と同じ役人は、
野心的で計算づくで娘に近づこうとするから、
外には出さないように大切にしてきた。
大学病院の世界はあまり知らないが…、
娘を愛してくれて、守ってくれるなら」と言っていた。
そんな真由子さんだから、
僕が医者だからとガツガツ来ることもなかったし、
お父様の庇護の下でおっとり過ごしてきたのも理解出来た。
僕は、
「真由子さんを大切にして、
全力でお守りします。
真由子さんとの結婚をお許しください」と頭を下げた。
お父様は真由子さんに、
「真由子ちゃんの気持ちはどうなの?」と優しく訊くと、
少し困惑した顔を浮かべた後、
「英一さんはとても優しくて、
大切にしてくださってますので、
お父様とお母様のような家庭を築けると思います」と恥ずかしそうな顔で言って、
僕の顔を見上げた。
なにか、物足りない気持ちになったけど、
恥ずかしそうな笑顔が眩しくて、
その物足りなさが何だったのか考える間もなく、
「どうか、お認めください」と頭を下げた。
お母様が、
「とても良い方だと思いますわ。
毎回、きちんと真由子ちゃんを家まで送り届けてくださって…。
真面目で紳士的な方だと思いましたわ」と言ってくれて、
結婚を認めて貰えた。
僕の両親は、
真由子さんのことについては大賛成だった。
厚労省の高官も親族にいたし、
何より家系や親族の地位がずば抜けていると喜んでいた。
卒業後の5月に結婚披露宴をすることにした。
婚約後も、礼儀正しくデートをして、
キスやハグくらいの関係で、
物足りなくはあったけど、
その分、真由子さんを抱くのが楽しみだった。