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渇いた心に水を注ぐ
第9章 何度も好きって言いたい〜真由子
「この時間は留守だと思わなくて…ごめんなさい」

怖い顔をイメージしていた梨香子さんは、
生気のない顔をしていた。


「2年ぶりか。
それで今日は?
真由子ちゃん、グランマの処で待っててくれる?」と言って、
圭人さんは母屋は続く扉を開けてお祖母様に声を掛けようとした。


「こちらは?
圭人の新しい奥さん?」

「まあ…そんなトコかな?」と圭人さんが言う。

「別に一緒に話を聞いてくれても良いのよ?」と梨香子さんは笑った。


「真由子ちゃん、どうする?」と言うと、
「圭人さん、決めてください」と小さな声で言った。

「じゃあ、一緒に居て貰おうかな?」と圭人さんは笑い掛ける。


奥のキッチンでコーヒーを淹れてくる。
入り口近くの待合代わりに使っているカウチに梨香子さんは座ってたので、コーヒーを置いて、
私は隣に座った。
圭人さんは受付の処に置いてるスツールを運んで座ってたので、
座る前に受付カウンターにコーヒーを置いた。


「で、話って?」と圭人さんが素っ気ない声で訊くと、

「圭人、このヒト、あたし達のこと、知ってるの?」と梨香子さんが言う。

「ああ。
話してあるよ」

「そう。
だったら話は早いわね。
まず、もうすぐ更新の賃貸契約、
解除したいの。
2ヶ月前に言うことになってるわよね?」

「そうだな。
判った」

「えっ?
それだけ?」

「ああ。
別に他に話すことはないよな?
大家に対して、
契約更新しないという話をしに来た。
こっちから契約書、また送るから、
それに署名捺印して返送すれば良いよ」

「元の奥さんに、冷たいのね?」と梨香子さんは少し涙ぐんでいるけど、

「今は大家と店子っていう関係だけだろう?」と本当に圭人さんは素っ気なく言った。


「別にあたしのことなんて、
最初から好きでもなんでもなかったものね?
あたしが妊娠したって騙したから、
結婚してくれただけだったし」
本格的に泣き始めるのを見て、
圭人さんは困惑した顔をしている。


「あのさ。
梨香子、一体何なんだ?
離婚後、初めて顔を合わせて、
泣き出してさ。
今更、何なんだよ。
何がしたいんだ?」


「あの…少し落ち着いてください。
圭人さんも、喧嘩腰で話をしないで?」と私は言って、
梨香子の手をそっと握って、
「大丈夫ですか?」と小さい声でゆっくり言ってみた。



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