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渇いた心に水を注ぐ
第2章 ファーストコンタクト〜真由子
帰宅して貰った名刺を見た。
hair artist
Kate Suzuki
ケイトって言ってたけど、
どんな漢字なのかな?
Kateだと、女の子の名前みたいね?
と思ってクスクス笑った。
ガッシリとした大きい身体に、
無精髭に長い髪。
どう考えても女の子ではない。
裏には本当に携帯番号しかなかった。
変な名刺。
そう思いながら、
自分の携帯に番号を登録しようとして、
間違えて鳴らしてしまった。
わっ!
と思って、慌てて電話を切ったのに、
すぐに折り返しの着信が鳴る。
仕方なく、そっと電話に出た。
「お電話いただきましたか?」と言われて、
「あの…ごめんなさい。
間違えました」と消え入りそうな声でなんとか返事をして、
電話を切ろうとしたら、
「切らないで?
さっきの真由子ちゃん?」と、
のんびりした声で言われる。
「番号を登録しようとしたら、
間違えて鳴らしてしまって…」
「番号、ゲット出来て、
こっちはラッキーだったけど。
あのさ、ハンカチ落とさなかった?
タオルハンカチ。ピンクのヤツ」
「えっ?」
「見送った後、ドアの外に落ちてて、
追い掛けてみようと思ったけど、
どうせ火曜日に会えるし、
なんかストーカーかと思われてもなって思ったし」
バッグの中を見てみると、
確かに入れてた筈のハンカチ、
入ってなかった。
「落としたみたいでした。
ありがとうございます」
「じゃあ、火曜日に渡すね?」
「あの…ケイトさんて、
どんな漢字なんですか?
登録するのにどうしようかなと思って…」
「土を2つに、
人間の人だよ」
そんな他愛ない話を少ししてから、
電話を切った。
誰かと、
しかも男性と話をするのは久し振りだった。
ちょっとだけ緊張したけど、
そんなに嫌な気持ちはしなかった。
さて…
と思って、
仕事とは別に依頼されている翻訳の仕事に取り掛かることにした。
何かしてないと、
気持ちが落ち着かない。
いつもの退屈な日曜日。
テレビも何もない殺風景な部屋で、
誰にも合わず、
ひたすらパソコンに向かって過ごした。
hair artist
Kate Suzuki
ケイトって言ってたけど、
どんな漢字なのかな?
Kateだと、女の子の名前みたいね?
と思ってクスクス笑った。
ガッシリとした大きい身体に、
無精髭に長い髪。
どう考えても女の子ではない。
裏には本当に携帯番号しかなかった。
変な名刺。
そう思いながら、
自分の携帯に番号を登録しようとして、
間違えて鳴らしてしまった。
わっ!
と思って、慌てて電話を切ったのに、
すぐに折り返しの着信が鳴る。
仕方なく、そっと電話に出た。
「お電話いただきましたか?」と言われて、
「あの…ごめんなさい。
間違えました」と消え入りそうな声でなんとか返事をして、
電話を切ろうとしたら、
「切らないで?
さっきの真由子ちゃん?」と、
のんびりした声で言われる。
「番号を登録しようとしたら、
間違えて鳴らしてしまって…」
「番号、ゲット出来て、
こっちはラッキーだったけど。
あのさ、ハンカチ落とさなかった?
タオルハンカチ。ピンクのヤツ」
「えっ?」
「見送った後、ドアの外に落ちてて、
追い掛けてみようと思ったけど、
どうせ火曜日に会えるし、
なんかストーカーかと思われてもなって思ったし」
バッグの中を見てみると、
確かに入れてた筈のハンカチ、
入ってなかった。
「落としたみたいでした。
ありがとうございます」
「じゃあ、火曜日に渡すね?」
「あの…ケイトさんて、
どんな漢字なんですか?
登録するのにどうしようかなと思って…」
「土を2つに、
人間の人だよ」
そんな他愛ない話を少ししてから、
電話を切った。
誰かと、
しかも男性と話をするのは久し振りだった。
ちょっとだけ緊張したけど、
そんなに嫌な気持ちはしなかった。
さて…
と思って、
仕事とは別に依頼されている翻訳の仕事に取り掛かることにした。
何かしてないと、
気持ちが落ち着かない。
いつもの退屈な日曜日。
テレビも何もない殺風景な部屋で、
誰にも合わず、
ひたすらパソコンに向かって過ごした。