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整体セラピー華
第2章 掠める指先、整体セラピーと性感セラピーの狭間。
『整体セラピー華』から自宅マンションへと向かう徒歩15分の道のり。
彼女から受ける施術で勃起と言う醜態を曝し、その場凌ぎのうたた寝を演じるさなか、予想だにしない経験をした事実。
サウナスーツの組下のパンツ越し、震える指先で僕の陰茎を擦(なぞ)るように辿らせていたあの感触、そして執拗に繰り返される性感マッサージと見紛うばかりの施術。
僕は彼女から受けた確信犯的な事実を受け留め、ひょっとしたら常連の男性客全てに施しているのだろうか?とも思えていました。
そんな訝しい思いに駆られながらも、あの40秒足らずのインターバルの間。彼女が微かな声で発した感嘆のフレーズは、僕の脳裏に焼き付いたままでした。
(悪戯にからかわれていただけなのだろうか?)1,000円の割引にせよ、月末の11,000円の出費は大きなもでしたが、優良オプションのストレッチを含むサービス施術が80分にも及び、本来90分の全身リラクゼーションコースが、合計約170分のサービスに様変わりしたと思うと、僕の自尊心も保たれ、それならそれで構わないと割り切れてもいたのです。
そもそも勃起と言う醜態を曝してしまったのも、尾骶骨筋帯から鼠径部へと及ぶ施術に快感を覚えた事に違いは無く、彼女の施術そのもの以上に、白澤美華と言う一人の女性を、もっと深く知りたいと思う気持ちが凌駕していたのも事実。
そして残暑の厳しい9月を迎え、彼女の術中に嵌るかのように、僕はその後も閉店営業状態だと聞いた月曜日に合わせ、第1週・第3週と足繁く通い続け、その都度最上の全身リラクゼーションコースの施術を受けたのです。
店のHP上ではチラシ持参で1,000円の割引き対応プラス事前予約で更に1,000円の割引対応と記されながら、僕に限り事前予約で更に3,000円の値引きという好待遇での施しを受け、結果的にチラシ持参と合わせて計4,000円の値引きとなり、実質90分8,000円で最上の全身リラクゼーションコースの施術という特別価格で、僕の財布にも優しくなったこともあり、幾分秋めいた10月を迎え、8月の初回来院から5回目となる、10月第3週の月曜日を迎えていました。